核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

福地桜痴〔欧州文明ノ一本質〕より 西洋文明批判

戦争にあけくれる西洋文明に対し、福地桜痴はどのような態度を表明していたか。 ギゾーがフランスを文明の集点(原文のまま)なりとし、多くの論者がそれに同意していることに対して、フランスの度々兵乱にあけくれる歴史を指摘して。 ※ 而して其の所謂文明…

またまた書庫増設

「近代化言説」の項を設けました。今回はいつもの作品論ではなく、広い視野からの論文を目指します。

福沢諭吉『福翁百余話』より「立国(十一)」

福沢諭吉が日清戦争を論じた「文野の戦争」は有名ですが、彼は平和主義をどのように見ていたのか。 あまり引用されない一節を紹介します。平和主義という語は使われていませんが、「一視同仁」「大同の主義」がそれにあたると思われます。 ※ 百千年来、世に…

『忠誠と反逆』自体に異議はないけど……。

「自我の内面における忠誠構造からいうと、非戦論者の「志士仁人」は無関心派と鋭く切れて、むしろある種の(引用者注 「ある種の」に傍点)主戦論者(たとえば山路愛山や『日本新聞』同人など)に近く位置するのである」(丸山真男『忠誠と反逆』一九六〇 …

悪い癖が出た。

思いついた論文を書けるとこまで書くことにしました。いきづまったらまた芥川か谷崎に戻ることにして。 とりあえずの方向性を。 ※ 影の近代化言説―福地桜痴の平和論を題材に 菅原 健史 はじめに―近代化言説の光と影、福沢諭吉と福地桜痴 ・明治における一般…

また悪い癖が

『忠誠と反逆』を読んでいるうちに、近代化言説についての別な論文が書きたくなりました。 当初の目的を忘れてはいけないので、芥川論をさっさと片付けることにします。

丸山真男『忠誠と反逆』読み中。

博覧強記ぶりに気押されつつも。

忠誠心とは何か。

今やってるゲームでは直接指示を出すと忠誠が下がり、休暇を与えると忠誠が上るわけですが。 現実の人間にとっての忠誠心とは、むしろ自己実現、いい仕事をさせてもらったかどうかといったあたりに関わっている気がするのです。少なくとも私の乏しい経験では…

今日は遊んでしまった。

将軍になった気分を味わってみようと、『ギレンの野望 ジオン独立戦争記』なんてゲームで一日をつぶしてしまいました。ギレン総帥ではなくレビル将軍側で。同ゲームについてはいずれ「ゲーム(電源系)」の項で語りたいと思います。

吉報か凶報か。

また気長に待つ日々に入ります。

PCまで不調。

ブログの更新までエラーが出るように。

PCまで不調。

私自身も好調とはいいがたい状態ですが。

一週間のごぶさたでした。

『軍隊と兵士』という本に収録された、軍人勅諭をはじめとする、日本軍形成期の資料をあてもなく読んでいます。

Washburn"Nogi"

https://archive.org/details/noginogi00washrich 上記のサイトで『乃木』の原文が見つかりました。便利な時代です。 私はろくに英語が読めないので、前に引用した箇所等にEYEとかMONOMANIAとかがでてくるかどうかだけ確認することにします。 ………

ウォシュバン『乃木』目黒真澄訳 一九一三(大正二)年

芥川の「将軍」には、「ある亜米利加人が、この有名な将軍の眼には、Monomania じみた所があると、無遠慮な批評を下した事がある」との一節があります。 で、アメリカ人ウォシュバンが書いた伝記『乃木』の日本語訳を読んでみました。 ※ 部下は言下に将軍の…

××に済まない。

じゃあ、芥川「将軍」中の日本兵たちを死地に赴かせる力は何なのかというと。 「日本魂」「酒の力」とかも出てきますが、兵士のセリフや心理描写で二回ほど「××に済まない」「何者かに済まない」という表現が出てきます。そのあたりの「負い目」が鍵のようで…

クラウゼヴィッツ『戦争論』の将軍論

「将軍はいかにして兵士を統率するか」といった文章を探して『戦争論』を読んでみた結果、かろうじて以下の箇所が見つかりました。 ※ (フリードリッヒ大王の苦戦ぶりについて) これら一切が軍隊の全機構の過度な摩擦なしに行われたと信ずることができるだ…

岩波書店『芥川龍之介全集 第十一巻』(一九七八)書簡集より

「将軍」が掲載された直後の書簡。 ※ 大正十一年 九八一 一月十三日 田端から 渡邊庫輔宛 (前半略) 何かゆつくり小説を書きたい新年の小説は皆不出来です (岩波書店『芥川龍之介全集 第十一巻』(一九七八 一九五ページ) ※ ……「将軍」は会心の作ではなか…

開高健『紙の中の戦争』岩波書店(同時代ライブラリー) 一九九六 その2

クラウゼヴィッツを読むのに手間取っているので、開高著からの引用をもう一つ。 ※ ただ残念なのは将軍その人、戦場、兵の発狂、作品を構成するイメージのうちで重要な役を果たさねばならないそれらのものがすべて美しい造花でしかないために虚無が閃光を生ん…

開高健『紙の中の戦争』岩波書店(同時代ライブラリー) 一九九六

以前、「将軍」の典拠としてスタンダール『赤と黒』を二か所ほど、あまり自信なさげに引用しましたが、裏付けらしきものが見つかりました。 ※ (穂積中佐の勲章論とは別に) 個人の犯罪における情熱の質と役を重視した言葉をもスタンダールは述べている。当…