核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

岡安儀之『「公論」の創生「国民」の誕生 福地源一郎と明治ジャーナリズム』 東北大学出版会 (近刊)

当ブログも以前から着目してきた、岡安儀之氏の福地研究がついに著書になるようです。これは欲しい。

ふと思いついたアフォリズム

たかが人間の祈りに動かされるような存在を、はたして神と呼べるものでしょうか?

澤井繁男『「烏の北斗七星」考―受容する“愛国”』 2007/7/1 (予定)

現時点での印象ですが、私は「烏の北斗七星」を、「平和への祈りを描いた美しい反戦童話」というふうには、読んでおりません。 その線で書き進めようと思うと、どうしても澤井氏の「受容する”愛国”」という副題の著書が気になりまして。同書を読み、その到達…

稲垣足穂「弥勒」(一九四六)

私小説と幻想文学。一見すると逆方向のように見えますが。 両者はいずれも作家の内面の探究をめざすものであり、それらが極致にいきついたときには合致する……というような説を、筒井康隆『着想の技術』で読んだ記憶があります。その典型例ともいえそうなのが…

詩人、稲垣足穂の小林秀雄評など

『一千一秒物語』の作者、稲垣足穂が晩年に日本文学大賞を受賞した時のコメント(「週刊文春」(昭和44年4月14日号))を、大東文化大学教授の山口謠司氏が紹介なさっています。以下、 https://news.yahoo.co.jp/articles/49ebe357e62627ad4f053441177c3e03f…

『美食探偵―明智五郎―』

美食探偵がドラマ化と聞いて、火坂雅志氏の村井弦斎をモデルにした小説のかと思いましたが、残念ながら違いました。 コミック、東村アキコ氏の『美食探偵―明智五郎―』が原作だそうです。日曜夜10時30分放送。

丘浅次郎『猿の群れから共和国まで』(一九二六(大正一五)年)

題名だけ読むと、輝かしい人類の進歩の歴史を、よくぞここまでこぎつけたと讃える書のように思われがちですが、残念ながら違います。 近代デジタルコレクションで現物を読み返してみましたが、丘にとっての最上の形態とは、大将への絶対服従が行われる「猿の…

丘浅次郎という生き物

代表作の『進化論講話』や「猿の群れから共和国まで」こそないものの、明治の生物学者丘浅次郎の著作はけっこう青空文庫で読めまして。「戦争と平和」をはじめ何本か読んでみたのですが。 何でしょう、この丘浅次郎というイキモノの、人文科学音痴っぷりは。…

大塚豊子「村井弦斎関係資料-その書簡と草稿など 〈所蔵資料紹介〉」『神奈川近代文学館』35号 (予定)

私が村井弦斎研究家ではあっても、専門家とまでは名乗れない理由に、神奈川近代文学館所蔵の弦斎資料をいまだに見ていない、というのがありまして。 ひとまず国会図書館で大塚氏の所蔵資料紹介を読み、一日で読み終えられる程度の調査リストを作ってから、神…

進化と進歩の混同

明治時代ならともかく、いまだに進化と進歩を混同している自民党には困ったものです。以下、私の博士論文より。 ※ 丘浅次郎と村井弦斎の進化論受容に共通しているのは、生物学上の「進化」と社会学的な「進歩」の混同である。古生物学者のグールドによれば、…

進化論の安直な政治的利用の一例

自民党の公報まんがが進化論を改憲論に都合よく利用していることについて、各方面から非難の声があがっています。 私も、進化論の安易な政治的利用には反対です。すでに明治時代からそうした例はあり、私は博士論文で批判的に引用してきました。以下はその典…

今度の論文は焦らずに

「烏の北斗七星」論にとりかかりたいのは山々ですが、国会図書館にはもう少し経たないといけそうもないし。文学理論の入門書でも読んで、じっくり温めることにします。

タモリ倶楽部で村井弦斎!?

同番組は見ていなかったのですが、5月22日に下記の内容があったようです。 ※ テレビ朝日で、5月22日金曜日、 深夜0時20分に放送される「タモリ倶楽部」では、「弦斎夫人の料理談」をテーマに、料理談に登場するレシピをタモリさん、飯尾和樹(ずん)さん…

宮沢賢治「飢餓陣営」

飢えに苦しむ兵士たちが、大将の勲章を食べてしまう……という超現実的な物語。 軍隊批判と、「人間と動物のあいだ」問題を一作品で扱えそうではあるのですが、論文にするとどちらも半端になりそうな気もします。記憶にはとどめておきますけど。

森田三咲「明治二〇年代の内田魯庵と「小説家」の地位向上 -作法書ブームの前史として-」

いい論文を入手できたので、裏核通は一時中断します。 明治20年代の小説家像についての論でして、読んでみたら案の定、村井弦斎の長篇「小説家」についての記述が。残念ながら、今回は私の博士論文への言及はありませんでしたが、黒岩比佐子さんの著書は引…

裏核通その2 人と動物のあるべき関係とは

CiNiiで伊勢田哲治氏の「人と動物のあるべき関係とは---動物福祉の考え方を深化させる--- 」というご論文を読みました。実に明快な論旨だったのですが……困りました。今日の哲学界では動物の権利、動物福祉を認める立場が主流であり、人間と動物の間に線…

裏核通

世界平和の追求はもちろんですが、当ブログにはもうひとつ裏のテーマがありまして。 思えば何年も前、専門外のデカルトを全集で読み込んだり、仮名垣魯文の『安愚楽鍋』で論文を書こうとしたのも、「人間と動物のあいだ」というテーマへの関心からです。 特…

特攻隊員が読んだ「烏の北斗七星」

すでに多くの指摘がありますが、佐々木八郎という特攻隊員の遺書に、宮沢賢治「烏の北斗七星」への言及がありまして。 ※ 我々がただ日本人であり、日本人としての主張にのみ徹するならば、我々は敵米英を憎みつくさなければならないだろう。しかし僕の気持は…

爆撃機イリヤ・ムーロメツ

郷土の英雄を兵器の名前につけるのは、よくある話とはいえ。 あのキエフの伝説の英雄イリヤ・ムウロメツの名を冠した爆撃機があったという話を、宮沢賢治関連の文献で読みました。筒井康隆氏もご存じないのではないでしょうか。 伝説中のイリヤは敵の大将に…

マヂエル様って

宮沢賢治「烏の北斗七星」で、烏は北斗七星を「マヂエル様」と呼んでいます。 「エル」がつくから天使の名前かと思ったら違いました。 先行研究によると、大熊座を意味する「ウルサ・マジョール」の「マジョール」の部分なんだそうで。何のことはない英語の…

よし決めた

宮沢賢治はファンもアンチも多くて、今から参入するには敷居が高いけど、「烏の北斗七星」限定ならなんとかなりそうな気がしてきました。

米地 文夫「宮沢賢治の反戦童話「烏の北斗七星」」『総合政策 = Journal of policy studies』 19, 19-35, 2018-03

CiNiiで読めました。先行研究の要を得たまとめに始まり、実際のカラスの生態に及び、宮沢賢治の信仰や北斗七星の意味するものを考察し、「烏の北斗七星」を反戦童話とする結論です。実に力作です。 既にこういう力のこもった論文が書かれてしまった上で…

宮沢賢治とか……

宮沢賢治の「烏の北斗七星」「飢餓陣営」あたりは軍隊の残酷さを童話形式で描いており、もしかしたら論にできるかもしれません。 すでに米地 文夫氏が、この二作品を反戦文学として読む論を発表なさっています。これから手をつけて、独自性が出せるかどうか。

次は何をやったものか。

けっこう長い時間をかけた論文が、ようやく私の手を離れました。 次は昭和戦前期で、プロレタリア系ではない反戦文学を扱いたいのですが、都合よく見つかるかどうか。

少なくとも七月十八日までは

国会図書館東京本館は、予約しないと入れないようです。 読みたい本はたまる一方なのですが、状況が好転するまでは待とうと思います。

今夜の一節

三島由紀夫『天人五衰』(新潮文庫)より。 ※ 「あなたには特別なところなど一つもありません。私があなたの永生きを保証するわ。あなたは天から選ばれてなど決していないし、あなたとあなたの行為が一体になることなどは決してなく、そもそも神速のスピード…

シティブック1、年内に復刻されるそうです。

安田均氏のツイートより。 嫌なことも多い昨今ですが、先の楽しみが一つ増えました。前向きに生きていきます。

最強伝説ダン

1990年代なかば、対戦格闘ゲーム全盛の時代。 名作「ストリートファイター2」の派生作の一つに、「ストリートファイターゼロ」というのがありまして。「2」よりも少し前の時代を舞台に、少し若返ったリュウや春麗がアニメタッチの絵柄で闘うゲームです…

印刷完了。

誤字脱字はないようですが、印刷にかすれが一部生じまして。ボールペンで補完します。

ひと仕事終えた。

手持ちの資料は一通り使ったので、研究は少し休もうと思います。