宮沢賢治「烏の北斗七星」で、烏は北斗七星を「マヂエル様」と呼んでいます。
「エル」がつくから天使の名前かと思ったら違いました。
先行研究によると、大熊座を意味する「ウルサ・マジョール」の「マジョール」の部分なんだそうで。何のことはない英語のMAJORです。
「大熊様」や「熊様」ならまだわかりますが「大様」では何のことやらではないでしょうか。
といって、賢治が烏の無知を冷笑的に描いている、とは思いません。大熊座のしっぽにでも祈らざるをえない烏の真摯さ、いじらしさを描いたとみるべきなのでしょう。