核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

戦争を知らない世代にできること

戦争の悲惨さを語り継ぐことで戦争を抑止しようとする方法―戦後日本の平和主義は主にその方法をとってきたわけですが―には欠点があります。 時代の推移とともに、戦争の記憶を語り継げる方々が減っていくという、悲しい現実です。 では、戦争を知らない世代…

次の論文、「反戦文学原論」(仮題)

シンプルに「反戦文学論」としたいところですが、黒島伝治がすでに使っていまして。しかもその内容は帝国主義国に対する戦争には賛成するという代物で、看板に偽りありです。 私が目指しているのは、戦争を阻止できるパワーを持った反戦文学を生み出すことな…

いまどき私小説批判でもありませんが。

「小説家を書く小説」なんてのは一見魅力的に見えても、ネタ切れ・自家中毒になりやすいものでして、「小説の書けぬ小説家」的な話になりかねないものです。村井弦斎の「小説家」(1890~91)は、明治前期にしてはがんばったメタフィクションですが、…

前倒し。

じっくり書く予定だった大きな論文、少しだけペースを速めることにしました。

戦後SFから三つほど。

戦後日本にも、「何によって戦争を阻止するか」という問題に自覚的だった文学者はいました。 ぱっと思いつく限りで、SF的作品を三つほど。普通は反戦小説とは呼ばれない作品です。 三島由紀夫の『美しい星』は、空飛ぶ円盤を見て自分が火星人だと「気づい…

いっぽう戦後は……。

戦前の平和主義者たちの中には荒唐無稽なものもありますが、少なくともバラエティに富んでいたことは確かだと思います。 いっぽう昭和戦後を見ると。戦争の悲惨さを語り継ぐのはいいのですが、「その先」をめざす平和論が欠けていたことは否めません。戦争を…

反戦文学論の見通し

わが反戦文学論の眼目は、「何によって戦争を阻止するか」といったところになりそうです。 与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」には、それが欠けていました。手放しで賞賛できないゆえんです。 日本で最初に「平和主義」という語を用いた矢野龍渓は、小…

なつやすみのとも

子供の頃はこの時期に必ずあたふたしていたものです。 現在は外部からの締め切りはありませんが、明日には宿題を片付けようと思います。 「反戦文学論序説」だか「反戦文学を読むための方法論」だか、とにかく方向性を定めねば。

攻めあぐねています。

オデッサを。それもあるけど大きな論文を。糸口がつかめなくて。 ムフの理論はいいとして、それと文学研究をどうつなげるか。

ギレンの野望 ジオン独立戦争記

「貴様が総帥だ」でおなじみ、ギレンの野望シリーズ。機動戦士ガンダムの悪役ギレン総帥か、地球連邦軍のレビル将軍のどちらかとなって、地球圏を統一するPS2ゲームです。 ムフを読んでいたら、「政治的なもの」を追体験したくなり、つい手を出してしまい…

しかしムフといえども

ポスト・マルクス主義とかいってマルクスに未練を残したり、フロイトやグラムシを援用したりするのはあまり感心しません。そういう過去思想とは縁を切ったほうが、より遠くへ飛べると思うのですが、こんな日本語ブログでそんなこと言ってたってムフに通じる…

シャンタル・ムフ『政治的なものについて 闘技的民主主義と多元主義的グローバル秩序の構築』明石書店 二〇〇八

「政治的なもの」(”The political")の本質は何か。ムフによればずばり「敵対性」です。 それを忘れた政治談議が甘っちょろいのみならず、危険でもあることをムフは再三に及んで批判します(実は吉野家コピペ風に書こうと思ったのですが、今時通じないと思…

敵と共存する倫理と構造主義

ウラジミール・プロップという学者は、大量のロシア昔話を収集・分析し、構造主義の祖と言われるお人ですが。 「イワンは悪い魔女と平和的に共存する道を選びました。めでたしめでたし」 なんてのは、彼のコレクションにもないんじゃないかと思います。めで…

敵と共存するための倫理に向けて

小林秀雄を調べている関係上、「近代の超克」などという、ご大層な名前の座談会の記録も読んでみたのですが、その名にふさわしい知性ある言葉にはついに出会えませんでした。超克どころか逆行です。 本当の意味で、近代(おおざっぱにいうと、戦争と経済競争…

小林秀雄語録―なぜ戦争は起きたのか

終戦記念日からは一日ずれてしまいましたが。 戦争の被害を語り継ぐだけでは、戦争を止めることはできない、というのが私の信念です。戦争の加害者、戦争で得をした人を徹底的に調べ上げなければ。 その一端として、小林秀雄という批評家の戦前・戦中語録を…

黒田翔大「電話社会のディストピア : 星新一『声の網』に描かれた未来社会」

日本文学における電話を研究なさっている、黒田翔大氏の最新の論文。 しかも星新一。これは読むしかありません。 明治前期に書かれた遅塚麗水「電話機」と、昭和戦後のSF『声の網』との類似は前から気になっていました。星新一がマネしたということはあり…

しかし吉本隆明って人は

小林秀雄がさんざんナチスや特別攻撃隊を賛美し、煽っていたことは前にも書きましたが。 戦後の吉本隆明という評論家は、「戦争中、小林秀雄の熱心な読者であった」と自称しつつ、その小林を戦争への抵抗者であるかのごとく讃え。 1980年代には、反核運…

シャンタル・ムフ『政治的なものについて 闘技的民主主義と多元主義的グローバル秩序』(購入予定)

副題の「多元主義的グローバル秩序」のあたりに惹かれました。要熟読です。 正直、ラクラウとムフの共著を読んで、少しムフ熱が冷めつつありますが。 夫婦漫才じゃあるまいし、ラクラウ=ムフなんてユニット名自体どうなのかと。 エルネスト・ラクラウについ…

流れを変える文学に向けて

ネットをやってると実感しますが。 憎悪というものは実にたやすく連鎖・増幅するものでして。 悪意があるわけでもない言葉が悪意にとられ、悪意のこもった言葉はさらに悪意のある売り言葉買い言葉となり……といった具合に。 そうした流れに乗り、「煽る」こと…

本棚整理

今日は本棚の奥の古雑誌を整理しました。もう用済みとはいえ、本や雑誌を捨てるのは痛みがともなうものです。 その代わり、面白い発見もありましたので、またいずれ。

矢は放たれた。

今回は非文学的というか、歴史よりの論文になりました。特集を意識したわけでもないのですが。

脱稿。

ああ、お水がおいしい。

超高速論文。

今回の論文はもう、注と仕上げを残すのみとなりました。芥川論の停滞ぶりがうそのようです。

貴公はヒトラーのしっぽだな。

私が幼少時、デギン公王の消しゴムをガンダムガチャで引いた件は前に書きましたが。 論文を書いていて、ふと上記のセリフをつぶやきたくなりました。妙な縁です。 もちろん、ギレン総帥に向けてつぶやいたのではありません。

モラール・ポリティック

ある文学者がある国を、「モラール・ポリティック」の国と讃えている発言がありまして。 モラール(morale)は士気とかやる気という意味の名詞ですが、「やる気政治」では意味をなさないので、モラル(moral 道徳・道徳的な)のつもりだったのではと思いま…

昭和史発掘?

ある壮大な仮説を思いつきまして、小さな証拠はぞろぞろ出て来るのですが、決定的な物証がなくて論文に書きあぐねています。歴史ミステリーならいけるかもなんだけどなあ。

読み直し。

過去ログを読み返してみた結果、このブログは何らかの形で残し、続けたい気が強まりました。 前向きに移転先を検討します。