戦争の悲惨さを語り継ぐことで戦争を抑止しようとする方法―戦後日本の平和主義は主にその方法をとってきたわけですが―には欠点があります。
時代の推移とともに、戦争の記憶を語り継げる方々が減っていくという、悲しい現実です。
では、戦争を知らない世代にできることは何か。記憶を受け継ぐのも大事ですが、また聞きでは説得力に欠けるのも確かです。
来るかもしれない戦争に想像力を働かせ、戦争を抑止する理論を紡ぎ出すこと。不可能とは思いません。木下尚江(明治2年生まれ)だって、日清戦争に反対した時には、戦争を知らない世代だったわけですから。