核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

村井弦斎『日の出島』「曙の巻」 その5 蓄音通信

無事、近代デジタルライブラリーも復旧したようなので続きを読みます。 郵便事故に懲りたのか、今回は蓄音器の録音盤でメッセージを送る話です。 ※ 箱の中より第一号原版を取出し蓄音器に挿(さしはさ)み螺旋(らせん)を廻して発音せしむればお富嬢の電話…

村井弦斎『日の出島』「曙の巻」 その5を書こうと思ったら

緊急システムメンテナンスのため、近代デジタルライブラリーは使用停止とのことでした。 中止じゃなく停止なのが気になるところです。『日の出島』だけでも全部読んでおくべきでした。

村井弦斎『日の出島』「曙の巻」 その4 原稿消失

やっぱり、弦斎は新聞で読まないと、面白さが伝わらないようです。義和団事件と物語の同時進行もそうなのですが、以下のようなハプニングも。 ※ 弦斎曰く原稿十回郵送の途に行衛を失ふ、雲岳女史を支那より呼返して逓信大臣に談判せしめんと存す、再度の執筆…

夏目漱石「思い出す事など」より オリヴァー・ロッジの「死後の生」への言及

「思い出す事など」が収録された、新潮文庫の『文鳥・夢十夜』は私の人生をふみはずさせた一冊でして、ぼろぼろになるまで読んだはずなのですが、コヒラーの発明者ロッジの名前が出てきていたとは気づきませんでした。 初出は1910(明治43)年10月~…

W・ウィルソン著 矢島祐利・大森実訳『近代物理学史』(講談社 1973)

村井弦斎の『日の出島 曙の巻』に出てきた、「コヒヤラ」「イーサーの波動」という科学用語が気になりまして、調べてきました。 「第9章 マックスウェルの電磁理論」「第10章 エーテル」の記述を要約しますと、「真空ガラス管中の銀の電極の間にニッケル…

本格カルボナーラ

塩と昆布茶の隠し味がポイントなのだそうですが、うっかり塩の分量を間違えまして。 あまった分をスパゲティのお湯に入れたらなんとかなりました。明日からは塩分控えめの生活に戻ります。弦斎先生も塩の取りすぎには注意って書いてたし。

村井弦斎『日の出島』「曙の巻」 その3 牛肉屋

1900(明治33)年の、牛肉屋の業界用語集。 ※ 女中頭「サア二十五番さんロースで御酒ーと聞える様に言はなくつては不可(いけな)いよ、何番さん鍋で御飯と大きく云ふのだよ、割下と云へば土瓶を持つて行くのだし、ゴブとは葱(ねぎ)の事で、紫(むら…

村井弦斎『日の出島』「曙の巻」 その2 無線電信

昨日は(予定)とだけ書いてさぼってしまったので、今日は二連続で行きます。 前回に続き、馨少年の結婚相談。 ※ 主人「馨君、君も充分に御承知である事だが、マルコニー式の無線電信は発信機の方で電気のスパーク即ち火花を出す、その火花がイーサーに波動…

村井弦斎『日の出島』「曙の巻」 その1 水力発電

連載中(1900(明治33)年)に義和団の乱(清国の反帝国主義活動)が起きたこともあり、この巻からは「軍国主義的色彩が強い」なんてなまやさしいレベルではなくなってきます。語り手も登場人物たちも、義和団を「頑固なる攘夷党」と断じ、文明諸国の…

明日はロードス島

地中海でクルージングといった優雅な話ではもちろんありません。アレクラスト大陸の南に浮かぶ、TRPG世界のロードス島です。 確か『灰色の魔女』を初めて読んだのは20年以上前。その元になったリプレイの雑誌は国会図書館にもなく、いまだに読んでませ…

村井弦斎『日の出島』「東雲の巻」 その4(最終回) 世界の終り

『ごちそうさん』も終わったことだし、久しぶりに『日の出島』に戻ってみます。といっても、殺菌剤の発明が終わった後はさして面白いこともなく、徴兵年限に達した馨少年の、のらくろなみにリアリティのない軍隊生活が描かれる程度です。 ただ、これはと思っ…

エミール・ゾラ『制作』(予告)

昨日、友人と西洋絵画の話で盛り上がっている時に、ふと話題に出ました。 セザンヌらしき画家が主人公で、激怒したセザンヌがゾラと絶交した、と予備知識はその程度ですが、尾崎紅葉が影響を受けているという論文もありまして。いろいろと興味をひかれます。…

サザエさん「ハヤカワさんの駅」

昨日は日曜日だというのに更新をさぼってすみません。ろくに研究は進まなかったけど、サザエさんは見てました。 で、表題作「ハヤカワさんの駅」。小田原の「向こう」に早川という駅があると知ったカツオが、波平さんの釣りに便乗してハヤカワさんを誘うので…

ラヴクラフト著・大久保ゆう訳「ニャルラトホテプ」(『青空文庫』)

やっぱりアニメの影響でしょうか。青空文庫にまでかの名状しがたき混沌が這いよってました。 http://www.aozora.gr.jp/cards/001699/files/56839_53228.html 私はラヴクラフト読んで怖いと思ったことはあまりないのですが(他に怖いものはいくらでもあるので…

『ごちそうさん』最終回見逃した

最終回にはブタも出ていたそうです。惜しいことをしました。

『朝日新聞』2006年5月3日(憲法記念日)での伊勢崎賢治氏の発言

では、問題の箇所を。 冒頭に「逆に」とあるのは、田原総一郎氏の「このままでは憲法がボロそうきんにされてしまう」から、少なくとも自衛隊の存在は認めた上で武力行使を禁ずるように9条を改憲しようという案とは逆に、という意味です。 ※ 伊勢崎賢治・東…

伊勢崎賢治氏の発言に関するコメントのまとめ

4月7日に伊勢崎賢治氏の発言を紹介したところ(http://blogs.yahoo.co.jp/fktouc18411906/archive/2014/04/07)、以下のコメントをいただきました。 ※ ポジショントークだな、伊勢崎さん。 非武装なんたらって、単に支持層向けの話じゃないか。 実際には、…

原則

典拠が届くのを待つ間、私が人を評価する際の原則を表明しておきます。 一言でいえば、「左か右か」ではなく、「上か下か」です。 公正さ・誠意・覚悟といった徳目を持ち合わせているかどうか。それが重要であって、護憲派か改憲派かといったことは二次的な…

平和の創り方 伊勢崎賢治さん「犠牲者を出す覚悟はあるか」

『武装解除 紛争屋が見た世界』(講談社現代新書 2004)の著者、 伊勢崎賢治氏(現在、東京外国語大学教授だそうです)の最新のインタビューです。神奈川新聞サイト「カナロコ」様より転載させていただきます。 http://www.kanaloco.jp/article/69095/cms…

武者小路実篤と村井弦斎・木下尚江

武者小路実篤の自伝より。 幼少期には弦斎の『小猫』『飛乗太郎』を愛読したという話も出てきますが、平和主義方面ではこちらも。 ※ 木下尚江の「火の柱」は兄も愛読したが、兄からすすめられて僕も読んで感動した。「良人の自白」はそれについで感心したが…

村井弦斎「楽天主義」(『婦人世界』1915(大正4)年3月号)

第一次世界大戦のさなかに書かれた、少なくとも戦争賛美ではないエッセイです。 では非戦論なのかというと…具体的な国際情勢に直接ふれてはいませんが、「怨(うらみ)に報ゆるに徳を以てす」の一ヶ条を提唱し、西洋近代式の権利義務の道徳に疑問を投げかけ…

武者小路実篤『大東亜戦争私感』(1942(昭和17)年)

どれも似たり寄ったりの、読む前から想像した通りの内容(むしろ無内容)なので、引用は最小限に留めます。さらしものにするのが目的ではないので。 刊行の日付は5月20日。ミッドウェイ海戦の少し前です。 ※ 大東亜戦争が始まつて以来、我等は日本を見な…

第一次世界大戦期の武者小路実篤

率直すぎ読みやすすぎる文章が災いして、武者小路実篤という人はあまり真剣に読まれていないのが現状です。しかし第一次大戦期に関する限り、大作反戦劇「ある青年の夢」をはじめとする多量の反戦論を書いていることもあり、今回まとめて読むことにしました…

心の俳句

サウダージ 道楽と 書いて道楽と 読んでみる 庵樽