核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

村井弦斎『日の出島』「曙の巻」 その3 牛肉屋

 1900(明治33)年の、牛肉屋の業界用語集。
 
 
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 女中頭「サア二十五番さんロースで御酒ーと聞える様に言はなくつては不可(いけな)いよ、何番さん鍋で御飯と大きく云ふのだよ、割下と云へば土瓶を持つて行くのだし、ゴブとは葱(ねぎ)の事で、紫(むらさき)はお醤油(したぢ)、ギヨクは玉子、きざなお客は蜻蛉(とんぼ)にサの字で好かない人は建付けの好い人」お銀「そりや何の事」女中頭「トンボは仮名(かたかな)のキの字だワネ、建付けが好ければ透(す)かないから好かない人さ」
  (近代デジタルライブラリー『日の出島 曙の巻 上下巻』 43/197)
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 …得意げな顔して何がトンボにサの字だ。お前は本当にキの字がトンボに見えると…見えるな。
 「ギョク」は今でも使われてますね。