核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

人間集団の排他性について

 石川啄木の小説「我等の一団と彼」が描き出しているような、人間集団は誰かを排除することによって存続するという機微について論じたいのですが。

 今扱っている、小川未明の「野ばら」でそれをやれるかどうかが問題です。「野ばら」は一対一の戦争という、およそ歴史上にありそうにない状況を描いているので、集団論とはどうも相性がよくないようです。

 結末近くで、死んだはずの青年が兵士たちを指揮して現れる、という夢を老人が見るくだりが、かろうじてそれに近いかもしれません。締め切りまであと二ヶ月だというのに、いまだに構想がまとまらずにいます。やっぱり初出を先に入手すべきかも知れません。