2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧
今さらながら、『食道楽』(1903(明治36)年)の冒頭場面を。 ※ 腹の中にて新年を祝する胃吉と腸蔵 「オイ胃吉さん、おめでとう」 胃吉「ヤアこれは腸蔵さん、去年中は色々お世話さまでしたね。また相変わりませずか、アハハ。時に腸蔵さん、今日は正…
兵士の生の心理を知りたくて、『明治戦争文学集』を読んでいたら、桜井忠温『肉弾』の野営場面で、「山海の珍味よりも難有しと戴いた大事の握飯、胃吉、腸蔵の喜ぶ暇も無く」との一節がありました。 村井弦斎『食道楽』を読んだ方ならおわかりでしょうが、冒…
思えばかすり傷一つ受けたわけでもなく、金銭的な被害もなかったので、被災体験ともいえないわけですが、ふと思い出したので、当時の印象のみ書いてみます。己の甘さへの戒めとして。 揺れを感じた当初は、「ああ、またいつものやつか」程度にしか思いません…
「筆者の研究の動機を遡れば、大江健三郎に行き着く」という、1984年生まれの若い著者による、戦後文化の中の原子力言説を概観した新書です。「ヒロシマ・フクシマ・ゴジラ」との副題あり。 当ブログが何度か引用した、大江の原発推進発言、「核開発は必…
どうも最近、自分自身がマシュマロ化しつつあるようです。運動不足か、食べすぎか。
レシピだけ見ると簡単そうなのですが。
一晩寝て、非現実的な夢を見て起きたら、壁の突破口らしきものが見つかりました。壁に向かってぼやくだけの現実主義は、私には無縁です。
物理的にコピー用紙が見つからないのもありますが、それ以上に答えが見つからないのもあります。 たとえば村井弦斎研究にしても、弦斎の潜在力を私の研究は完全に引き出せているかどうか。
本日の更新はおやすみとします。
なにやら動きがあったような。
「さて、クビライ・カーンはこの島の豊かさを聞かされてこれを征服しようと思い」(月村辰雄・久保田勝一訳『マルコ・ポーロ 東方見聞録』(岩波書店 2012 198ページ))で始まる日本遠征記。けっこう長いので箇条書きで。 ・二人の将軍による渡海。…
黄金の国呼ばわりされていることは知られていても、そこから先の記述はあまり知られていないのではないでしょうか。今回、図書館で『平家物語』を入手しそびれたこともあり、こちらを紹介します。 ※ サパング(日本国。他のフランス語写本でシパング)は東方…
何百何千という犠牲者が出ているはずの源平合戦で、なぜ彼だけを特別視するのか。平○盛といった固有名を持つわけでもないこの人物に。それだけの問題があると思えばこそです。 先に引用した今井論では、与一が彼を射た心理を、「シュートを決めた直後に観客…
「―「とし五十ばかりなる男」の射殺をめぐって―」との副題があります。与一の矢のごとく、私の問題意識をピンポイントに射ぬいてくれた論文です。 まず国語教科書での取り上げられ方から入り、『平家物語』諸本の異同を比較した上で(私が前に引用したのは、…
前に、曲さえよければ歌詞はどうでもいいという趣旨を書いてしましましたが…私は「物語性のある歌詞」には弱いようです。 この歌も曲はもちろんすばらしいのですが、「ガジュマルの木の下」「テレパシーきかなくなる」といった独特の言葉選びが、なんかただ…
昨日は非殺傷弓矢は無理があるとか書いてしまいましたが、日本古来の「鏑矢」(かぶらや。音を立てる矢)というものの存在を忘れていました。それなくしては成立しない『平家物語』の名場面も。 源平合戦のさなか、沖(平家側)から、扇を持った女官の舟が現…
『古事記』の大国主神話に出てくる、八十神を追い払った(←ここに注意)、「生太刀」「生弓矢」というのは、もしかしたら「生かす(=殺さない)太刀・弓矢」つまり非殺傷兵器のことだったりして。 探してはみましたが、当然ながら、そんな先行研究は見当た…
非殺傷兵器の問題点その2として、自軍兵士の安全という点があげられそうです。 しろうとっぽい言い方ですみませんが、敵軍にしてみれば、通常兵器で武装した部隊よりも、非殺傷兵器しか持たない部隊のほうが「攻めやすい」と思うのです(なにしろ、自分や部…
うかつにも、以下の2論文が未読でした。そして必読。 木村 潤一「イラストでよむ将来兵器!(第23回)化学原理を利用したこれが新しい非致死性兵器だ!」 『防衛技術ジャ-ナル』 27(2), 54-57, 2007-02 江畑 謙介「ボスニア配備「非致死性兵器」の効果」 『世界…
平和主義では無くコンピューターゲームの話です。とりあえずは。 初期の『ドラゴンクエスト』なんかでは、たいてい最初の街の人が「ぶきとぼうぐを わすれるなよっ!」とか教えてくれまして、武器(剣や槍)と防具(鎧や盾)はセットの存在だったわけです。 …
武力をもって紛争に介入し、世界平和をめざす武装民間組織。ぶっそうな話ですが「ガンダム」シリーズの一作品です。放映当時(2007~2009)はガンダムどころじゃなかったので観てなかったのですが、最近その良さに気づき、ゲーム(『Gジェネ』)で追…
ぱっと思いつくだけでもいろいろあるのですが、まず一つ。 核兵器なんてのは結果が明らかに悲惨なだけに、それに対する嫌悪もまた大きく、結果的に戦争へのハードルを上げ、抑止力たりえる…という論があります(私はそれに疑問がありますが、それはそれとし…
何気なく聞いていて「コスタ~リカ~♪」なんて名前が出るとびっくりするものです。 サッカーにはあまり興味はないのですが(長谷部選手の著書を読んだ程度です)、こういう前向きな歌を聞くと、一度ぐらいは観戦してみたくなります。監督問題ももめているよ…
明治23年の日本にも、文学作品を通して非殺傷兵器を考える思想が存在した、貴重な一例です。 以下は、矢野龍渓(やのりゅうけい)の『報知異聞 浮城物語』というSFの一部です。 大日本帝国からの独立を夢見る海上国家「海王丸」の面々。それぞれ軍事や科…
まったく経験のない分野。どうなることか。
『波涛』2005年1月(通巻第176号)掲載。実に読みごたえのある論文でした。 刀剣・弓矢から核兵器に至る殺傷兵器(リーサルウェポン)に対して、最近実現しつつある非殺傷兵器(ノンリーサルウェポン)の現状を論じています。 傾向としては、以前紹…
「僕等の明日の光の先の」という調子で、Jポップにありがちな単語をえんえんと「の」でつなげて歌う、『ギャグマンガ日和』のテーマソングの傑作です。作詞はもちろん増田こうすけ先生。 この歌を聞くと、「建設の発展の現在の時期の、中国の指導者の思想」…
史上最悪の独裁者、毛沢東との大江健三郎の会見記。 毛沢東が樺さん(安保デモでの犠牲者)の死に「深く激しい悲しみ」をその眼にうかべたこと、彼がいかに人間的な政治家であるかをえんえんと語っています。 ※ 中国の大躍進の旗のもとの現在は、この人民公…