核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ゲーテ『ヘルマンとドロテーア』末尾の軍備による抑止論と、麻生太郎演説と、それへの批判

ゲーテの『ヘルマンとドロテーア』を読んだのはだいぶ前なので、筋は忘れてしまいましたが、物語の最後で軍備による戦争抑止論を、花婿ヘルマンが花嫁ドロテーアに語っていたことだけ思い出しました。以前のゲーテ記事で、『ゲッツ』の末尾とか書いたのは勘…

核抑止論の源流、バーナード・ブローディの『絶対兵器』

ブログ名にもある通り、私は核兵器および通常兵器の廃絶論者であり、核抑止論(核兵器を持つことで平和が保てるという説)には反対です。 そもそも核抑止論なんてものを誰が言い出したのか気になって検索したところ、ブローディという人物が出てきました。以…

ディオゲネス・ラエルティオス『哲学者列伝』上中下(岩波文庫)もデジコレで読める。

前から欲しかったのですが、三冊セットで価格が高いため手が出ずにいました。 ぱらぱらとクリックすると、「グラウコン」の章に、九篇の対話篇の名が記されていました(いずれも現存せず)。中に『アリストパネス』の名が。 喜劇作家のアリストパネスと、ソ…

村井弦斎『阿古屋及食道楽』(一九〇五(明治三八)年)より「阿古屋」

アトランティスネタもつきたので(ディズニー映画『アトランティス 失われた帝国』は未見)、近代文学のブログにもどろうと思います。 弦斎が日露戦争下で「軍国芝居」と銘打って上演した、『阿古屋及食道楽』。 食道楽の歌舞伎化のほうは、舞台でお登和嬢役…

ガトランティス

・よく見るとアトランティスと違う。 ・アイスラッガーとガイスラッガーぐらい違う。 ・白色矮星じゃなくて白色彗星だ。 ・ちゃっかりデスラーもいる。 ・『さらば宇宙戦艦ヤマト』で全滅する。 ・『宇宙戦艦ヤマト2』でも壊滅する。 ・『宇宙戦艦ヤマト2…

「アトランチスの謎」(サン電子 1986)

「アトランティス」について調べる際、「アトランチス」や「アトランテイス」といった表記ゆれもついでに検索すると、意外なのが引っかかることがあります。 で、ファミリーコンピューター用ゲームソフト「アトランチスの謎」。 なつかしのゲームといいたい…

悪魔超人アトランティス

核通は ネタ切れるまで アトランティス(新たな心の川柳) 「ミートくんの右足は魚のエサだぞ~」の外道。 もはやプラトンと何の関係もありませんが、あのロビンマスクを倒した、忘れがたい悪役です。 意外にも、出身地はオーストラリアのグレートバリアリー…

明治一七年のアトランティス

なんか調子づいてきたので、もうちょいアトランティス話を続けます。 私の専門である明治文学研究では、明治初期にはヴェルヌの冒険小説翻訳ブームがありました。でもって、『海底二万里』に主人公とネモ船長がアトランティスの海底遺跡を発見する場面があっ…

アトランティス食道楽

謎の金属オリハルコン(原典での表記はオレイカルコス。真鍮だという説も)で知られるアトランティス。その食生活がふと気になって、プラトンの『クリティアス』を読み返してみました。 ※ 葡萄も、主食としての穀物や食卓に添えるいろいろな食物、総じてわれ…

アテナイオス『食卓の賢人たち』(岩波文庫に抜粋収録、いずれ読む予定)

古代ギリシアと、明治文学『食道楽』をこよなく愛する者としては、接点が見つかった気分です。 実物は岩波文庫すら読んでいないので、ウィキペディアより前情報。 ※ アテナイオスが、裕福な友人であるラレンシスが催した宴の様子を、聞き手であるティモクラ…

プラトン『クリティアス』のアトランティス伝説(『プラトン全集 12』岩波書店 一九七五)

核通は ネタが尽きると クリティアス(心の川柳)。 そんなわけで、『プラトン全集』がデジタルコレクションで読めると知ったうれしさの余り、アトランティス伝説の起源とされる『クリティアス』を紹介します。オタどん様のムー大陸資料発見にあやかったよう…

2023(令和5)年9月24日 第22回村井弦斎まつり開催!

私が宣伝するまでもないのですが、検索だと以前の回のが出てくることもあるので、今年のホームページを貼っておきます。 村井弦斎まつり (muraigensai.com) 神奈川県平塚、村井弦斎公園10:00~14:30、小雨決行とのこと。 市外、県外の方の参加も可…

ひと仕事終えた

肩の荷が下りたので(問題はここからなのですが)、今日はちょっと気を抜こうと思います。

アーステルワールド(『ウォーロック』誌 56号 未所持)

前回書いた『ハイパートンネルズ&トロールズ』のための背景世界、アーステルワールド。単行本未収録で、社会思想社『ウォーロック』誌の56号にしか掲載されていないそうなのですが。 その56号、国会図書館でも欠巻なのです。実はそこにない。 熱狂的な…

『ハイパートンネルズ&トロールズ』(社会思想社 一九九一 未所持) 

今回はTRPGの話です。それも大昔の。 『トンネルズ&トロールズ』(略称 T&T)というのは世界で二番目に古いTRPGなのですが、ルールがどんぶり勘定というか、大雑把なところがありまして。 そのT&Tに、日本人が独自の改良・追加ルールを加えた…

ロシア文字、にわか勉強中

あのДとかГとかいうやつです。 ローマ字と同じ形で違う発音のもけっこう多いので、覚えるのに苦労します。 なんで始めたかというと、村井弦斎の日記の中に、ロシア文字をローマ字のように使って書かれた日記があるとのことで(一種の暗号ですね)。ロシア語…

彼らにあやまちは繰り返させませぬから

八月六日というと、広島にアメリカ軍が原子爆弾を投下した日ということで、原爆のことばかりが話題になりますが。 そうなるに至った経過、日本がアメリカと戦争をするに至った経緯にさかのぼらなければいけない、というのが私の持論です。 今回は出典は省略…

ゼロ円で円本が読める

円本(えんぽん)というのは昭和初期に流行した、一冊あたり一円で販売された各種全集のことです。タクシーの料金も一円で、円タクという言葉もありました。 その火つけ役ともいうべき、改造社の『現代日本文学全集』の、かなりの数(全部かどうかは、まだ確…

ジェンダー・トラブル届いた

ききしにまさる難解さで、あれこれ並行して勉強していかなければ歯が立ちません。 とりあえず一回通読して、読むべき参考図書のリストを作ろうと思います。

村井弦斎『写真術』(一八九五)も近代書誌・近代画像データベースで読めます

『写真術』は国会図書館のデジタルコレクションで読めるのですが、あちらは白黒画像、こちらは表紙にばっちり色がついています。 それがどうしたと言われそうなので、順を追って説明します。 『写真術』とは、白黒写真しかない時代にカラー写真を発明しよう…

村井弦斎『深山の美人』も読んでなかった

みやまのびじん、と読むそうです。 幕末の動乱で山にこもった一家の娘が、明治中期に東京に出て、文明レベルのずれから、さまざまな騒動を引き起こす・・・という物語らしいです。明治三〇年刊行。 国会図書館のデジタルコレクションでもヒットしませんでした。…

エーフェル塔と弦斎

女性議員の一団が公費でフランスに行き、エッフェル塔の前ではしゃぐ写真を公開するなどして、批判を浴びる昨今。税金のむだ使いはけしからんので、私も便乗させていただきます。 村井弦斎「水の月」(第六回)。舞台は北海道の札幌です。突如現れた富士山が…

弦斎忌が過ぎてしまった

なかなか研究に専念できる環境が整わず、ゲームの話など書いてるうちに村井弦斎の命日も過ぎてしまいました。 一応、毎日「村井弦斎」で検索はしていたのですが、特に各地でのイベントはなかったようです。 ちょっと前に注文した『ジェンダー・トラブル』も…

T&T・M!M!両用シナリオ「盗賊生活」

本作は、「著 ケン・セントアンドレ 翻訳:安田均/グループSNE」が権利を有する『トンネルズ&トロールズ完全版』の二次創作作品です。 (C)Group SNE 「トンネルズ&トロールズ完全版」 タイプ「盗賊」限定1人用。盗賊でありさえすれば種族・レベル・性別は…

T&T・M!M!用ミニシナリオ「冒険に出ない冒険者」

本作は、「著 ケン・セントアンドレ 翻訳:安田均/グループSNE」が権利を有する『トンネルズ&トロールズ完全版』の二次創作作品です。 (C)Group SNE 「トンネルズ&トロールズ完全版」 種族(人型なら善悪問わず)、レベル、タイプ(盗賊は次回記事の「盗賊…