謎の金属オリハルコン(原典での表記はオレイカルコス。真鍮だという説も)で知られるアトランティス。その食生活がふと気になって、プラトンの『クリティアス』を読み返してみました。
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葡萄も、主食としての穀物や食卓に添えるいろいろな食物、総じてわれわれが「青もの」と呼んでいる類いのもの―も、飲食用、搾油用の木の実や、遊戯娯楽用の貯蔵のきかぬ果実の類いも、そして食べすぎの苦しみをやわらげるのに効果のあるおいしい食後の果物なども、これらはすべて、当時、さんさんと照り輝く太陽のもとにあったこの神に捧げられた島がかぎりなく豊かに実らせた、世にも見事な作物なのであった。
『プラトン全集 12』二三八頁
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野生動物や家畜も豊富との記述もあるから、菜食主義ってことはないんでしょうけど、意外と質素というか、健康的でした。「ブタの理想国」と呼ばれた『国家』には及びませんが。