核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

明治一七年のアトランティス

 なんか調子づいてきたので、もうちょいアトランティス話を続けます。

 私の専門である明治文学研究では、明治初期にはヴェルヌの冒険小説翻訳ブームがありました。でもって、『海底二万里』に主人公とネモ船長がアトランティス海底遺跡を発見する場面があったはず。でデジコレで検索してみると。

 英国ジユールスヴェルネ氏著・日本井上勤訳『六万英里 海底紀行』(一八八四(明治一七)年)と題された本がヒット。英国?英里?は気になりますが。

 

   ※

 (ネモ氏は海底遺跡で石に)左の一字を書き付けたり、

    「アトランチス」

 予は此の一字を見るより忽ち心に悟りければ暫時(しばし)呆れて呆然たりそも此のアトランチスと云へるは「プラトー」氏の唱えたる大陸にして昔「セヲポムバス」氏は

之れを「メロピス」と称へたり共に同一の大陸にして現前大西洋中に在りとの説なりし

 (三九四頁 カタカナや一部漢字はひらがなにしました)

    ※

 

 『海底二万里』の訳はもっと古い(『二万里海底旅行』鈴木梅太郎訳、京都山本 1880年)のもあるそうで、これが最古のアトランティス文献ではないのですが、鈴木訳はデジコレでは読めませんでした。

 しかし、セヲポムバスのメロピス大陸とは何なのでしょう。注釈つきの『海底二万里』を読めば判明するのでしょうか。