核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

星新一「ペンネーム」(『きまぐれ星のメモ』読売新聞社 1968 収録)

「八〇パーセントは本名」なペンネームの由来話です。 ※ 本名は星親一。私の父(引用者注 星一)は若い頃米国に留学し、各工場に安全第一の標語が記してあるのを知った。それにヒントを得て親切第一という語を考えつき、帰国してからの事業のモットーに使い…

「弭兵」は「びへい」か「じへい」か

「じへい」と書いてある文献もありますが、漢和辞典には「びへい」とありましたので、今後は「びへい」で統一することにします。専門家ではないので、古代中国での発音はどうだったかの問題には深入りしないことにします。

嫉妬ではなく羨望

記念すべき単著の1ページ目で、「すげーなこれパンクだ」なんて書いてしまえる人を、私は尊敬します。そういう初心を忘れずにいきたいものです。

星新一 「自動車」「おやじ」「超光速」((『きまぐれ星のメモ』読売新聞社 1968 収録)

長男の星新一による、星一にまつわる思い出三題。 ※ 私の父は大変に自動車が好きであった。明治四十年に製薬業をはじめてから、昭和二十六年に死ぬまで、自動車を愛用しつづけた。車のナンバーは三七であった。日本で三十七番目なのかどうかはわからないが、…

星新一「大正七年の「三十年後」」(『SFマガジン』1966(昭和41)年10月号) その1

『SFマガジン』に星一の「三十年後」が抄録された際の、星新一による解説です。 『週刊新潮』の掲示板で「三十年後」のありかを求めたものの見つからず、斎藤守弘氏がどこかの古本屋で探し出してくれたおかげで日の目を見たと冒頭にあります。 つまり、星…

星一『支那の歴史』(1938)

日中戦争期の星一による中国史。特に扇動的な内容ではなく、手堅く(無難に)まとまっています。 まっさきに春秋時代の記事を読んでみたのですが、向戌の弭兵(軍備廃絶)の会についての記述はありませんでした。 代わりにというか、戦国期の墨子についての…

河野収「中国古代の或る非武装平和運動―向戌の弭兵戦略とその批判―」(『軍事史学』1978年3月

防衛大学校教授の方による、『春秋左氏伝』中の平和会議についての論文です。 向戌が提唱した「弭兵」を、「単なる不戦平和運動ではなく、諸国の軍備撤廃又は制限によって宋の安全保障をはかろうとする戦争抑止戦略であった」と捉え、「戦争の抑止に対して、…

江見水蔭「探検小説 海底の新戦場」(『少年倶楽部』1918(大正7)年1月 世界探検号)

『三十年後』の直前に江見水蔭が発表した、『少年倶楽部』の探検小説。 ※ 驚いたのは主人である。 『誰だツ。如何して君は入つて来たかツ』 面会謝絶で研究室に立籠もつて、家族の者にも滅多に入るを許さないで居る、其所へ怪人が突然入来つたからである。 …

星一『活動原理』(1926) より 「親切は世界の平和を作る」

大正末期~昭和初期の、星一の平和観を示す資料。 ※ 親切は世界の平和を作る 一 万国平和会議だの、国際連盟だのと騒いで居るが、其会議の精神の内に親切を欠いて居る、又は其連盟国の政府及人民に親切を欠きて居るなれば、其んな会は千百あるとも、又毎日会…

江見水蔭「太古の戦争」(『欧州戦争実記』1916年7月号)

『三十年後』の軍備廃絶論は星一の思想であって、江見水蔭のではなかった、そう裏づけてくれる資料です。 ※ 戦争は何(いつ)の世にも有る。適者生存の為には戦争は如何(どう)しても免れぬ。 (略。三千年前のアイヌまたはコロポックルが、強健な大和民族…

文献以上の良薬なし

相変わらず現金なもので、気合の入った論文や小説を読んだら元気が出てきました。 博士論文の最後の一行を書いてからはや二年。やっとその先に進めそうです。

星一「三十年後に題す」

『三十年後』の序文に、後藤新平が星製薬を訪ねた際の挿話が記されています。 後藤が店員に「馬鹿につける薬はあるか」と聞いたところ、「目下研究中でございます」と返され、星製薬の面目を施したと。星新一『明治の人物誌』後藤新平編にも引用されています…

気を取り直して

思い返してみると、『空中の人』もそんなに悪くはないような気がしてきました。 悪いのは江見水蔭ではなく、私の焦りのほうです。もうちょい落ち着いたら更新を再開してみます。

不調につき

しばらく更新を休みます。

江見水蔭『空中花 終編』(1918)

だまされた。めっちゃ腹立つ。まだイライラする。 正直、もう何もかもどうでもよくなった。

江見水蔭『空中花 前編』(1918)

トンネルはないけど国境は雪国だった。越後と信濃の境の駅を前にして、大雪のために立ち往生してしまった汽車。そこに乗り合わせた美少女とその父、貴婦人と書生、いわくありげな怪老賊。汽車を捨てて徒歩で駅を目指す、彼らの運命の交差が始まる…。 いかに…

ああはなりたくない人

「ああなりたい人」は少なく、「ああはなりたくない人」は多いのが現実。 「ああはなりたくない人」も反面教師としては必要ですが、そういう人を見慣れてけちをつける癖がつくと、つい向上心を失ってしまうものです。 『ジョジョの奇妙な冒険』の冒頭にあり…

星一はラッセルを読んでいた

星新一のエッセイにもあったのですが、星一は『官吏学』全4巻という、膨大な分量の学術書を書き残していました。 ひとまずその『摘要』だけでも思って読んでみたら、さっそくラッセルの名が出てきました。平和主義がらみではありませんが、後々役に立ちそう…

星一 述『自国を知れ 進歩と協力』(1933) より 「飛行機上より見て」

どうも昭和戦前期の星一には神がかり的なところがあって、この口述本も「生産の神国化 分配の神国化」とか大々的に謳っているわけですが、中にはさすがと思わされるところもあります。 ※ 八 飛行機上より見て 一私は地上に於て自己を発見した、飛行機に乗つ…

時代鑑

ドロボーに土地鑑があるように、文学研究者にも時代鑑とでもいうべきものがありまして。 長年やってきた明治20~30年代ならまだしも、古代中国春秋時代となると、その時代の空気というものが見当もつかないわけです。川を渡る途中の敵を攻撃しなかったり…

今日のツイート

「寿老人」と「ジュラル星人」ってなんか似てる。長寿と短命の差はあるが。