核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

星一『活動原理』(1926) より 「親切は世界の平和を作る」

 大正末期~昭和初期の、星一の平和観を示す資料。

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  親切は世界の平和を作る

 一 万国平和会議だの、国際連盟だのと騒いで居るが、其会議の精神の内に親切を欠いて居る、又は其連盟国の政府及人民に親切を欠きて居るなれば、其んな会は千百あるとも、又毎日会議を開いて居つたとて決して世界は平和にもならない。又繁栄もしない。軍備拡張を止めたら。此迄あつた様な戦争は起らないかも知れん。然し平和は来ない。戦争以外の争ひが起り戦争以上に長い苦痛を与へるものがあるかも知れん。
 二 各国民が親切第一を信奉するにあらざれば、平和を内外に求むる事が出来ない。世界的平和が建設されない。
 (59ページ)
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 星一は「親切第一」というスローガンを愛好していて、ついに息子の名前にまでとりつけた、とその当人の星親一(筆名 星新一)先生も書いていました。
 で、その「親切」という言葉の内実なのですが、この『活動原理』だけでは要領を得ないので、あらためて『三十年後』の平和論と照らし合わす必要はあります。
 とりあえず、星一第一次世界大戦後の、英米本位・大国主導型の平和路線に飽きたりはしなかったようです。