核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

核抑止論の源流、バーナード・ブローディの『絶対兵器』

 ブログ名にもある通り、私は核兵器および通常兵器の廃絶論者であり、核抑止論核兵器を持つことで平和が保てるという説)には反対です。

 そもそも核抑止論なんてものを誰が言い出したのか気になって検索したところ、ブローディという人物が出てきました。以下ウィキペディアより。

 

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バーナード・ブローディ(Bernard Brodie、1910年5月20日-1978年11月24日)は、アメリカ合衆国国際政治学者、軍事戦略家。専門は、核戦略論、核抑止論

 略歴・人物
1940年、シカゴ大学で博士号取得。ダートマス大学講師を経て、第二次世界大戦中はアメリカ海軍作戦本部に勤務した。イェール大学、ランド研究所を経て、1966年からカリフォルニア大学ロサンゼルス校教授。

原爆投下から間もない1946年、強大な破壊力を持つ核兵器が実戦使用されたことの重大性をいち早く指摘、編著『絶対兵器(Absolute Weapon)』において、「今後の軍事機構の主要な目的は、戦争に勝つことではなく、戦争を避けることでなくてはならない」と主張し、戦争抑止のための核戦略構築を提唱したことで知られる。

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 「戦争を避けること」という目的だけは、核抑止論核廃絶論は一致するのですが。

 それにしても、核抑止論はあまりにも愚かな考えです。あまりにも相手国の指導者の理性に依存しすぎています。

 核抑止論というのは、相手国の指導者が、国民の犠牲を嫌い全面核戦争を避けようとしている・・・・・・という、甘すぎる仮定に基づく思想です。地球総人口の半分が死のうとかまわないと発言していた毛沢東のような独裁者には通じない戦略です。

 はたしてプーチンは、毛沢東よりも理性的で国民思いでしょうか?習近平金正恩は?言いたくないけどバイデン大統領は理性的でしょうか?もっと言いたくないけど、支持率33%でも政権を手放さない岸田文雄総理は?

 どうも、核抑止論が想定している、理性にもとづいて全面核戦争を避けようとする指導者像のほうが幻想のようです。核抑止論は現実的ではありません。

 一方核廃絶論は、といってもいろいろあるのですが、少なくとも私は、非理性的な人間の非理性的な部分に働きかけることで、兵器のおどしによらない世界平和を構想しています。

 

 追記 岸田政権の支持率の数字が間違っていたので、2023年8月のNHK世論調査の数字に基づいて直しました。また、毛沢東が核戦争でも死んでもいいと発言したのは、「国民の半分」ではなく、「地球総人口の半分」でした。訂正してお詫びします。