村井弦斎の『日の出島 曙の巻』に出てきた、「コヒヤラ」「イーサーの波動」という科学用語が気になりまして、調べてきました。
「第9章 マックスウェルの電磁理論」「第10章 エーテル」の記述を要約しますと、「真空ガラス管中の銀の電極の間にニッケルの微細粉末とわずかな量の銀の粉末をまぜた」、電磁波を感知するコヒラーという装置を開発・命名したのは、オリヴァー・ロッジという科学者だそうです。ブランリーやマルコーニがそれを改良し、無線電信の発明に至ったわけです。
その原理ですが、『日の出島』には電気のスパークがイーサーの波動を起こすとありました。これはエーテル(ether,aeteherとも綴る)のことで、光の波動を伝えるとされていた仮想上の媒質です。1881年のマイケルソンとモーレイの実験、それに続くオリヴァー・ロッジの実験でエーテル説にほころびが生じ、アインシュタインの特殊相対性理論によってエーテルの存在は完全に否定されます。
両方に名前が出てきたロッジ。この本には人物伝までは載ってなかったので、ウィキペディアより。なかなかにユニークな人物です。