核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧

西田幾多郎「善の研究」におけるドゥンス・スコトゥスの権力説と、それへの西田の反論

もうちょっと、西田論を続けることにしました。 『善の研究』の「第三編 善」。善とは外界の権威に従うことだという、権力説もしくは他律的倫理学を紹介して。 ※ この種の学説において外界の権力者と考えられる者は、勿論自ら我々に対して絶大の威厳勢力をも…

西田幾多郎「絶対矛盾的自己同一」(一九三九)

西田哲学の根本思想、らしいのですが、私にはいくら読んでも何も理解できませんでした。『善の研究』よりもはるかに難解です。 青空文庫で読めるので、われこそはと思う方はどうぞ。 西田幾多郎入門はこれくらいでいったん切り上げて、戦争の止め方にもどろ…

西田幾多郎「読書」(初出一九三八(昭和一三)年)

西田幾多郎と村井弦斎の接点なんてのも検索してみたのですが、やはりというか見つかりませんでした。 そんな西田幾多郎の愛読書は。青空文庫よりコピペ。 ※ 二十少し過ぎの頃、はじめてショーペンハウエルを読んで非常に動かされた。面白い本だと思った。し…

村井弦斎のナポレオン観

デジコレで、村井弦斎のナポレオンへの言及を検索してみると、『食道楽』の「ナポレオン料理」をはじめ、けっこうな数がヒットします。 以前私が上巻だけ読んで放置していた『小猫』の下巻にも、ナポレオンやビスマルクの政治は「権略」であって「道理」に基…

戦争や独裁者を讃える哲学は、根底に欠陥があるのでは

マルティン・ハイデッガーとかカール・シュミットといった、ナチス・ドイツを賛美した哲学者たちのことを、しばしば弁護する論があります。彼らは確かにナチスやヒトラーを讃えたが、それは時代の制約にすぎず、彼らの哲学の価値をおとしめるものではない、…

西田幾多郎「世界新秩序の原理」も青空文庫で読めた

一九四三(昭和一八)年。太平洋戦争(西田の文中では「世界大戦」「東亜戦争」)で日本が世界の新秩序を担うことになると、西田流のこむずかしい言い回しで讃えた文章です。以下、青空文庫より引用。 ※ 今や我々東亜民族は一緒に東亜文化の理念を提げて、世…

そして『善の研究』はネットで読めたのであった

青空文庫というサイトで、新字新かなで西田幾多郎の代表作が無料で読めることに気づき、ちょっと力が抜けました。ありがたいのは確かです。 夏目漱石の小説『行人』も青空文庫で読めると判明しました。後半のメンヘラ主人公が言い出す「絶対の境地」が、ちょ…

西田幾多郎『善の研究』、読み終えました!

前半の純粋経験についてのくだりは冗長に感じたのですが、後半で主題が「善」に変わり、従来の諸哲学者の善についての説を次々に退け、善の活動説を力説するあたりは痛快でした。後半は「統一力」という言葉もキーワードとして何度も出てくるのですが、善の…

本棚の中から西田幾多郎

『善の研究』(岩波文庫 1950)が出てきました。 旧字旧かなの年代ものです。ただでさえ読みづらいのに。 今日はあまり雑事に煩わされずに時間がとれる日なので、じっくり読もうと思います。頭脳のふだん使ってない部分を酷使することを覚悟しながら。 …

そして当ブログは一度も、西田幾多郎にはふれていませんでした

日本近代文学研究を掲げるブログとしては、ちょっと怠慢だったかも知れません。 西田幾多郎は文学者ではなく哲学者ですが、その影響は各方面に広がっており、おさえておくべき人でした。 岩波文庫の西田幾多郎『善の研究』は買った記憶はありますが、本棚の…

当ブログは一回だけ、吉田健一という名前を出していました

念のために「吉田健一」でブログ内検索したところ、一回だけその名前を出していました。 「決戦下精神上の問題 日本文化の知的参謀本部」(『日本学芸新聞』一九四三(昭和一八)年四月一日) その2 出席者一覧 - 核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ…

浜崎洋介『日本人の「作法」 その高貴さと卑小さについて』(ビジネス社 2025) たぶん買わずに読む予定

ネット上の紹介記事で知り、本の画像も確認できました。 その帯にはこうあります。 「森鷗外 菊池寛 小林秀雄 福田恆存 吉田健一 江藤淳 大岡昇平 西田幾多郎 堂々と覚悟を持って闘った先人が伝えたかったこと。」 吉田健一と西田幾多郎については、当ブログ…

そして今日も

雑事に追われる予定につき、更新はできそうにありません。ご容赦ください。

雑事に追われて

昨日は更新しそびれました。すみません。

小原凡司『何が戦争を止めるのか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン 二〇一六) その1

元海上自衛官航空隊司令・東京財団研究員・政策プロデューサーという肩書きの小原氏による、 「「戦争は悪」だけでは戦争は止められない。」 という帯のついた著書。二〇一六年の著書なのでここ数年の戦争は反映されていませんが、『戦争の止め方』という似…

なぜか中野重治を読む一日になった

太平洋戦争前後に関心が移ってしまいまして、昭和の作家中野重治の生涯を追ってしまいました。 大長編『甲乙丙丁』がデジコレで読めると判明。いつか挑んでみます。

今日の課題 現代における戦争の止め方

現代(二一世紀以降)の戦争、サイバー戦、宇宙戦、ドローン、無差別テロなどの「新しい戦争」に対して、私が提示する、二〇世紀以前の文学作品をもとにした「戦争の止め方」は説得力を持ち得ないのではないかと、ふと思い当たりまして。 現代の戦争について…

今日は気をゆるめる日

村井弦斎『食道楽』など読み返して過ごそうと思います。 『食道楽』を書いた時点での弦斎は平和主義者ではなく、日清戦争を肯定するような発言もあるのですが、それでも『食道楽』は含蓄とユーモアに満ちています。

二の矢の的は決まった

こりずに続けます。 1.5の矢とか√2の矢も放つかもですが。

申し上げにくいのですが

初手でミスをしてしまいました。 くじけずに、二の矢を放つ準備をしておきます。

矢は放たれた

サイは投げられた、カバは転がった……これ前にも書いたかな。 出版企画書を書式通りに書き直し、ようやく編集者様に送信する段階に至りました。 こんな歳になっても緊張はするものです。門前払いされないかどうか。

また爆睡してしまった

企画書の最終チェックを終え、安心したところで眠くなってしまい、大事な電話をとりそこねてしまいました。 埋め合わせは明日するつもりです。ごめんなさい。

出版企画書、提出前の手直し

いくつか問題点が見つかったので微修正します。 類書(似たような題名の本)ももう一冊ぐらいは入手する予定です。 明日はがんばります。

『戦争と平和』のアンドレイ王子?

C・コーカー著、奥山真司訳『戦争はなくせるか?』の一節。 ホメロスの叙事詩『イーリアス』や、トルストイの『戦争と平和』に言及して。 ※ 戦争芸術に関していえば、それは現実からの逃避をもたらすのではなく、逆に現実を活気づけるものである。アキレスや…

出版企画書、完成しました

日付けが変わってしまいました。脳内締め切りを守れなかったのは残念です。 これは叩き台(叩かれ台ともいう)なので、今ここで公表はしません。 出版社各社から門前払いされるようなことがあったら、ネタとして公表するかもしれません。一応は自信作なので…

『戦争の止め方』出版企画書、半分書けた

一休みした後、コーカー『戦争はなくせるか?』を含む類書を一通り読んで、企画書の残り半分を今日中に片付けようと思います。

スラヴォイ・ジジェクは『軍詩複合体』という言葉を使っていた

軍産複合体じゃなくて軍詩複合体。 コーカー『戦争はなくせるか?』を読んでいて知りました。同書およびジジェクの株がちょっとだけ上がりました。 軍隊とか財界とかいう巨大な力と、詩を同格扱いにして、軍詩複合体とは大げさに思えるかもですが、私はそう…

『戦争はなくせるか?』は読みづらかった

読みづらいといっても難解だとか深遠という意味ではありません。 誤訳を疑いたくなるレベルで、意味がとりづらいのです。 今日は別の仕事をすることにします。

コーカー『戦争はなくせるか?』、入手しました

明日は時間がとれるので、じっくり読みます。問題意識とともに。

書こうという気力が戻ってくるのを感じる

弦斎まつりまでに論文一本は無理そうですが、今どんな研究をしてるかぐらいは言えるように、あれこれ書いていくことにします。