題名だけ読むと、輝かしい人類の進歩の歴史を、よくぞここまでこぎつけたと讃える書のように思われがちですが、残念ながら違います。
近代デジタルコレクションで現物を読み返してみましたが、丘にとっての最上の形態とは、大将への絶対服従が行われる「猿の群れ」であり、王が独裁する王国がそれにつぎ、独裁と服従の精神が失われた共和国は退化の極みだという説です。
丘は一冊の歴史書も読まずにこの歴史(神話?)を書いたそうですが、ここまでくると人文音痴のみならず、自然科学者としての資質も疑いたくなります。少なくとも独裁国家のほうが共和国より進化しているなんてバカなことは、ダーウィンは言いそうにありません(もやウィンなら言うでしょうが)。
丘が「共和国」に言及していることをもって天皇制への遠回しな批判をみる論文もありましたが、とうてい賛同できません。