思いついた論文を書けるとこまで書くことにしました。いきづまったらまた芥川か谷崎に戻ることにして。
とりあえずの方向性を。
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影の近代化言説―福地桜痴の平和論を題材に
菅原 健史
はじめに―近代化言説の光と影、福沢諭吉と福地桜痴
・明治における一般的な「近代化言説」の例、福沢諭吉を中心に。
・それらは結局、近代化=西洋文明化であり、日本をいかにイギリスやフランスに近づけるかであった。
(福沢諭吉の言説の代表例を引用)
・しかし、西洋化ではなく、さりとて前近代日本への逆行(国粋保存・日本主義等)でもない近代化言説は存在した。平和という普遍的な目標を掲げ、戦争と差別に満ちた西洋文明をも相対化した上で日本の針路を定めようとする言説である。いくつか例はあるが(中江兆民『三酔人経綸問答』の洋学紳士など)、本論はその一例として、生前は福沢諭吉と「天下の双福」と並び称されながら、後世にはほとんど知られなかった(しかし、ここ数年急速に研究の進みつつある)福地桜痴の平和論をとりあげる。
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