核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

玄関大和の主砲!

 国力の底上げを考えずに、軍備だけを増強することはできないという近代化言説の文脈で。

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 譬えば裏表に戸締りもなくして家内狼藉なるその家の門前に、二十インチの大砲一座を備うるも盗賊の防御に適すべからざるがごとし。
 福沢諭吉『文明論の概略』 一八七五 中央公論社『日本の名著33 福沢諭吉』 一九六九 二二六ページ
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 1インチは2.54センチ。20インチは50.8センチ……って、戦艦大和より巨砲じゃないですか。
 「巨艦大砲はもって巨艦大砲の敵に敵すべくして、借金の敵には敵すべからざるなり」と続きます。
 福沢諭吉は平和主義者ではまったくないのですが(またいずれ)、国力に見合わない軍備拡張には反対していた、という一例です。