核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

福沢諭吉の日清戦争観

 福地桜痴も勝利の報を聞いて「快哉!」とか叫んだそうですが。 

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 日清戦争など官民一致の勝利、愉快ともありがたいとも言いようがない。命あればこそコンナことを見聞するのだ、前に死んだ同志の朋友が不幸だ、アア見せてやりたいと、毎度私は泣きました。実を申せば日清戦争なんでもない。ただこれ日本の外交の序開きでこそあれ、ソレホド喜ぶわけもないが、そのときの情に迫れば夢中にならずにはいられない。
 福沢諭吉福翁自伝』(一八九七 引用は慶應通信 一九五七 二九八ページ による)
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 福沢諭吉にとっては「大願成就」であり、近代化プロジェクトの達成点でした。
 私にとっては、ここで非戦論が起きなかったのは、日本のために(もちろん清国や朝鮮のためにも)不幸なことだったと思うのです。若き日の木下尚江は、義戦論の演説会にいとこと行って「ノウ!ノウ!」とかやってたそうですが。