核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

福沢諭吉「女大学評論」(『時事新報』 1899(明治32)年)

 先ほどの『日の出島 老松の巻』に、「福澤翁に女大学の攻撃をなさしめんと欲す」との一説がありました。
 検索したら、上の小説と同じ1899(明治32)年の『時事新報』に、福沢諭吉は「女大学評論」を発表していたようです。
 青空文庫に全文収録されていまして(http://www.aozora.gr.jp/cards/000296/files/43029_23560.html)、江戸時代の教訓書『女大学』を一項目ずつ検討し、近代文明の立場から、その儒教主義に批判・論評を加えています。
 福沢はさらに『新女大学』を書き(http://www.aozora.gr.jp/cards/000296/files/43064_24679.html)、女性も体育や物理学を学ぶべき、経済や法律にも理解を持つべきと、当時としては進歩的な女性論を語っています。
 ただ福沢をもってしても、女性の参政権や社会参画は考慮されていません。 私が福沢諭吉を、福地桜痴や木下尚江や村井弦斎ほど評価する気になれない一因です。