核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

#絵本、児童文学

小川未明「野ばら」

『戦争に対する戦争』(一九二八(昭和三)年)に収録された童話。 大きな国の老人兵士と、小さな国の青年兵士が、国境の番をしているうちに、将棋をさすなどしてうちとけていくものの、やがて戦争が始まり、小さな国の青年は北方の戦場に駆り出されていく………

星新一「犯人はだれ?」(『四年の学習』1960年12月号)

『つぎはぎプラネット』(新潮文庫 2013)収録作品。 小学生向けの科学クイズ。こういう仕事もしてたとは。 三問目の解答の前に、「答えを読む前にわかったら、みなさんは博士ですよ」とありました。わかりませんでした。私は博士じゃなかったようです。…

村上春樹・友沢ミミヨ 『またたび浴びたタマ』 文藝春秋 2000

村上春樹氏による回文(逆から読んでも同じ文)に、短いストーリーと、友沢ミミヨ氏によるイラストをつけた作品です。 表紙にもなっている、またたび浴びたタマの恍惚たる表情がすばらしいです。私にとっては村上文学の最高峰です。 こういう作品こそ、国語…

『江戸川乱歩全集 第21巻 ふしぎな人』光文社文庫 2005

「あらっ。おじさんだわ。おじさんがとんでいくわ。」 裏表紙に小さく書かれたこの一文を見て、名古屋栄の三省堂書店で衝動買いした本です。装丁・註釈・解説のすべてから、怪人二十面相ものの魅力をわかっている感が伝わってきます。 特に『たのしい二年生…

石川淳「アルプスの少女」(1952(昭和27)年)

以前にも紹介した、日本人文学者によるハイジの続篇。引用は『石川淳全集』第5巻によります。初出は同全集によれば『文藝』1952年11月特別号(未見)。ついでがあったら確認してきます。 「戦争が起こり、ペーターは兵士となる。平和が戻ったとき、ペ…

馬場のぼる 『ぶたたぬききつねねこ その2』(こぐま社) 追記

前にも一回取り上げたしりとり絵本ですが(http://blogs.yahoo.co.jp/fktouc18411906/archive/2011/06/24)、このたび再読しまして、新たな魅力に気づきました。 墜落炎上する「ひこうき」から「ぱらしゅーと」で脱出する「まんとひひ」の表情とポーズがすば…

アルプスの少女(講談社 1949年版)

石川淳の続編が発見できなかったので、とりあえず原作を紹介します。近代デジタルライブラリーより。『アルプスの少女』 スピリ原作,吉田絃二郎著,蕗谷虹児絵。講談社 1949(昭和24)年。 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1168465/28 「この…

土原耕作 「豚と猪」 (1923)

『オデュッセイア』から『野ブタ。をプロデュース』に至る、世界ぶた文学全集を編纂したい。そんな野望を抱くアンタルキダスのファイルに、また新たな一篇が加わりました。 ※ 豚が猪に向って自慢をしました。 「私ぐらい結構な身分はない。食べる事から寝る…