核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

事大主義について。

 議論を進める前に、私の立場について表明しておきます。
 「このアンタルだか菅原健史だとかいうやつは、小林秀雄の言うことならなんでも気に食わなくて、あらさがしをしているだけじゃないか」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
 私が本当に批判したいのは、事大主義というやつです。マルクス全盛の時代にはマルクスをふりかざして論敵を沈黙させ、マルクスが弾圧される時代になったら皇国史観やドイツ礼賛に鞍替えする。戦後は湯川秀樹にすり寄ってマルクスを嘲笑する。そして、自分の過去の言動を反省することなど決してせず、姑息な手段で過去の文章を改竄までする。そういうタイプの人間を私は批判しているのです。なにも小林秀雄に限ったことではありませんが、小林秀雄の文章は近代日本における最も典型的な事大主義であり、今日にまで悪影響を及ぼし続けている、と私は考えます。
 私はマルクス主義にも皇国史観にも批判的な立場ですが、それら以上に許せないのが事大主義です。自由な批判を認めず、指導者を神聖無謬の存在とする社会がどういう末路をたどるか、2012年の日本人であればどなたもご存知のはずです。
 ですから、私はご批判は謹んでお受けしますし、もし自分の間違いが判明すれば恥を忍んで間違いを認めます。
 マッハやアインシュタインにだって間違いはありましたし、近代物理学は彼らの間違いを批判的に検討することで進歩してきたのです。