核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

二葉亭四迷『浮雲』のメガネっこ描写

 「言文一致小説の元祖」とか称される『浮雲』。実はメガネっこ小説の元祖であることは、その筋の人間にはよく知られた事実です。

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 或一日(いちじつ)、お勢の何時になく眼鏡を外して頸巾(くびまき)を取ッているを怪んで文三が尋ぬれば、「それでも貴君(あなた)が、健康な者には却(かえっ)て害になると仰(おっしゃ)ッたものヲ」トいう。文三は覚えずも莞然(にっこり)、「それは至極好(い)い事(こつ)だ」ト言ッてまた莞然。
 (青空文庫様より引用)
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 なんでわざわざ外させますか。近代的自我にもメガネ萌えにも目覚めていない主人公の悲哀。まあ、どのみちお勢には萌え要素などありませんけど。
 もし『浮雲』よりも「以前」に、メガネっこが(かけたまま)大活躍する小説があれば、私も論文を書く気になるのですけど・・・。