核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『別冊太陽 子どもの昭和史 少年マンガの世界Ⅰ 昭和20年~35年』

 真珠星人。地底機関車。ターザンの野球王。空中都市東京。火を吹く円盤。物言う小判。プロレスの助。力道山はつよい。ピストルをあたまにのせた人びと。スーパー太平記。地球の最后・・・
 題名を見ただけでもわくわくしてくる、ゆかいつうかいな冒険まんがの表紙を集めた、『別冊太陽 子どもの昭和史 少年マンガの世界機‐赦贈横闇~35年』(平凡社 1996年3月刊)を紹介します。
 『鉄腕アトム』『鉄人28号』『少年ジェット』『月光仮面』といった有名どころももちろんですけど、冒頭にあげたような埋もれた作品も、(表紙を見る限りでは)やたら面白そうだったします。
 まあ、あからさまに手塚治虫横山光輝といった大家の絵柄をまねた模倣者が目立つのは事実ですけど、あの藤子不二雄だってもとは足塚不二雄だったんだし、梅図一雄くんが昭和26年12月号の『漫画少年』読者漫画大会に採用されてたりもするし(別冊太陽101ページ左上)、模倣の連鎖から突如としてオリジナリティが生まれることもあるわけです。ここにも研究に値するテーマが。
 それにしても、1954年からブタまんが(「ブウタン」 『幼年ブック』昭和29年10月号)を描いている馬場のぼる先生はさすがです。作風にぶれがありません。時流への迎合がまったく感じられません。「ぶたのむらに、がっこうが、できる。わーい、ばんざい。ブウタン、ばんざい!」。馬場先生ばんざい。
 しかし、この火星博士だの海底博士だの怪人ヌワール博士だのいう人らも、博士論文書いたはいいけどオーバードクターのまま職につけず、悪の秘密結社に履歴書送るはめになったんでしょうか。・・・他人事じゃないな。平和博士なんて、BF団さえやとってくれそうにないし。ぶたのむらのがっこうにでも公募しましょうか。