核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

村井弦斎『日の出島』「東雲の巻」 その1 華氏八十八度

 冒頭の「寒暖計」の章より。明治時代は華氏で温度を表記していたようですが、例外もありまして。
 
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 石橋「左様、三十一度六七分位かネ」
 貢生「それは摂氏ですな、何(ど)うも我々素人には摂氏の度が耳馴れません、華氏で九十度とか百度とか云ふと何程の暑さだと想像し得ますけれども摂氏で云はれると頓と分りません其癖学術上でも気象台の報告でも近頃は摂氏計りですな」
 石橋「左様、摂氏は一名を百度寒暖計と云つて氷点零度から沸騰点百度までに割ってあるから都合が宜いのです、(略)
 華氏を摂氏に直すには先づ八十八度八分八厘から三十二を引いてそれに今度は前と反対の九分の五を乗ずれば三十一度六分となります。(略)
 何事に出逢つても一度研究してご覧なさい、そうすれば直ぐ分る事を我邦の人は兎角迂(うつ)かりポンとして居るから困る」
 (近代デジタルライブラリー 『日の出島 下巻』(1910) 11/498)
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 …うっかりポンと言う響きがグッドですね。ヒラメがうっかりポンと口の中で(略)。
 一応、華氏と摂氏の換算式も載せておきます(ウィキペディアより)。
 
 
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http://upload.wikimedia.org/math/6/3/7/637f23bf46824661dcf2099d5c632ecb.png