核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『宙返り』読了!

 お・い・らはブ~ロガ~↓怠惰なブ~ロガ~↑大江~で書いた~ら~荒~らしを呼~ぶぜ~!いえい!
 というわけで読み終わりましたが、…きつかった。
 ひたすらカルト新興宗教の内輪もめに終始する話でして、誰一人感情移入できる登場人物がいないのです。
 錯時法もパースペクティヴもムダにごちゃごちゃしてるし、文体は体言止めがいやに多いし。
 終わりの方はもう、やけくそとしか言い様がないし。まじめに読んで損した気分です。
 とりあえず、主要登場人物紹介いきます。上巻終了~下巻はじめあたりの時間軸で。
 
 師匠(と書いてパトロンと読む) とある新興宗教(燃えあがる緑の木とは別)で「救い主」と呼ばれていた人物。「大きい瞑想」に入ることで、「向こう側」からくるヴィジョンを見る力を持つ…と称していた。教団内の急進派による原発テロ計画を恐れるあまり(?)、テレビで「今までの預言は全部冗談だった」と宣言する(「宙返り」事件)。それから十年後、かつての信者たちに連絡を取り、教団を再結成しようとするが…。
 
 案内人(と書いてガイド) 「救い主」が見たヴィジョンを言語化する役割を担当し、「預言者」と呼ばれていた人物。急進派を組織した張本人だが、師匠とともに「宙返り」を行う。十年後に不自由な身で教団再結成をはじめるが、もと急進派のリンチにあって死亡。
 
 踊り子(と書いてダンサー) もと信者ではないが、「宙返り」事件に関心を寄せる女性。荻青年や郁雄とともに教団再建に携わる。
 
 木津(以下ふりがななし) 癌に犯された中年の画家。モデルの郁雄に引きずられて教団再建に巻き込まれる。案内人なきあと、師匠に第二の案内人として指名される。
 
 郁雄 木津のモデル…以上の関係。少年時代、「ヤレ!」と言う声を聞いて人を殺した過去あり(あぶね~な)。旧約聖書預言者ヨナに強い関心を持ち、師匠の教団に接近する。
 
 荻 無邪気な青年。もと下着ドロボー。師匠ともと信者の連絡係をつとめるうち深みにはまる。
 
 森生さん 師匠に仕える、知的障害を持つ作曲家。この作品世界にはヒカリさんは別に存在するはずなので別人。「ピンチランナー調書」の森がまた若返ったのかとも思ったけど、たしか死んでたはずだし。たぶん他人の空似。
 
 急進派 師匠の世界終末の預言を信じ、原発テロを起こして人々を悔い改めさせようと企てていたが、「宙返り」事件のため挫折。案内人をリンチして死なせたが、後に師匠と和解し、「技師団」として新教団に加わる。
 
 静かな女たち 「宙返り」後も独自の信仰を貫いていた女性の一団。新教団に加わる。
 
 …ここまでが上巻の登場人物です。下巻で教団は、四国で十五年前から空き家になっていた礼拝堂を買い取り(もうおわかりですね)、ぞろぞろと四国の森の村に移住します。では、下巻の登場人物を。
 
 未亡人サッチャン 「燃えあがる緑の木」教会の指導者だった、ギー兄さん(三代目)の未亡人(…もう、いいや)。師匠らに礼拝堂を託す。
 
 ギー少年(四代目?) ギー兄さんとサッチャンの間に生れた子供。「童子の蛍」と称する少年団を率いる。早熟かつ聡明で、師匠らの教会を警戒している。
 
 アサさん 師匠らの教会に好意的な地元の女性。作家の兄がいるが本編には出てこない。
 
 …といった人々が集まって、「新しい人」の教会が設立されるわけです。続きはまた。
 それにしても、新しい人ならぬ荒らしな人は最近こなくなりましたな。DVDでも観てるんでしょうか。