核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『宙返り』ただいま再読中

 大江健三郎の良いところも悪いところも見逃すまいとじっくり読んでいるため、いましばらく時間がかかりそうです。 おかげで、昨夜は非常に憂鬱な夢を見ました。
 そもそもは、ニューヨーカー紙での大江健三郎のなんの具体的な解決策も示さない原発批判に、「感情論にすぎないではないか」と反発をおぼえたのがきっかけでした。
 その後、1968年(まんざら悪いことばかりの年でもありません。サッポロ一番みそラーメンの発売もこの年だし)の大江健三郎原発推進論を読み返して、感情論どころか二枚舌だとの思いを強くしたわけです。
 さらにその後、『個人的な体験』の結末部や『治療塔』の冒頭部でちょっとだけ見直したり、『治療塔』の2章以降を読んでまた評価を落としたりしたわけです。
 結局のところ、大江文学とは救世主待望論にすぎないのではないか、というのが、現時点での私の考えです。
 『宙返り』を最後まで読むことで、大江文学の新たな可能性が見えるかどうか。もう少々お待ちください。