核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

#その他経済

メンガーの「商品の販売可能度」という概念

メンガーの貨幣論で最重要なのは、「商品の販売可能度」とその差異の発見でした。「ポテトチップスは100円で買えますが、ポテトチップスで100円は買えません」という、あの機微ですね。 ※ こうした「財の販売可能度」あるいは「商品間に存在する販売可…

マルクスの反動性

前回に引き続き、古川顕「貨幣の起源と物々交換(1)―ロー、マルクス、メンガー―」(『経済論叢』2016・7)を引用します。 「貨幣は記号である」とモンテスキューは主張していたわけですが、マルクスはそれを誤謬とし、金属貨幣説に固執しました。 ※ …

ジョン・ローの発見

ジョン・ロックは銀こそ普遍的貨幣と考えていたようですが、もう一人のジョンは違いました。 ※ ところで、ローが「貨幣経済学のまったく新しい眺望を切り開いた」というマーフィーの指摘は、一体何を意味するのだろうか。その意味するところは、貨幣は金や銀…

古河顕「貨幣の起源と物々交換」((1)、(2))

谷崎潤一郎「小さな王国」論に使えそうな論文。以前に入手しそびれたので次回こそは。 ※ 貨幣の起源と物々交換(2)ロー,マルクス,メンガー 古川 顕 経済論叢 = The economic review 191(3), 1-16, 2017-08 貨幣の起源と物々交換(1)ロー,マルクス,メンガー 古…

1918年のコンデンスミルクの値段

※ 大正7年(1918)5月、静岡県田方郡錦田村に錦田工場を建設し、原料用練乳および牛酪を製造していたが、つづいて練乳小缶森永ミルク(390グラム入り1缶50銭)を一般市場用として発売した。 (『森永乳業五十年史』森永乳業株式会社 1967 2…

戸田海市「不換紙幣流通ノ根拠ニ就テ」(『経済論叢』1916年6月)

(判読困難。要約は後日) 2018・1・15追記 結局あまり必要ないと判断したため、判読は無期延期とします。

作田莊一「不換紙幣流通ノ根據ニ就テ」 (『經濟論叢』 1916年4月)

カタカナノ論文トイフノハ、コノヤウニ読ミニクイワケデス。以下ヒラガナデ要約シマス。 ・本誌二号での戸田(海市)博士の不換紙幣の強制通用力説に対し異見を述べたい。 ・強制通用力は不換紙幣の流通を支持する一原因に留まり、主要なる流通根拠ではない…

伊東光晴『人類の知的遺産 70 ケインズ』講談社 1983

ケインズの管理通貨制度論について。 ※ ケインズの経済学は、経済社会を自由に任せることから、人間の知性によってコントロールする社会へと移行させようとした。そのためには金本位制度否定が前面に出た。自由主義の経済、それは十九世紀のそれがそうである…

伊藤宜広『現代経済学の誕生 ケンブリッジ学派の系譜』中公新書 2006

マーシャル、ピグー、ロバートソン、ホートレー、ケインズの5人を、列伝形式で書いた経済学史です。 今回は1918年前後の貨幣論に的を絞って読んだのですが、ホートレーが目にとまりました。 ※ また貨幣と信用の関係を考察する上で、貨幣の起源に関する…