ジョン・ロックは銀こそ普遍的貨幣と考えていたようですが、もう一人のジョンは違いました。
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ところで、ローが「貨幣経済学のまったく新しい眺望を切り開いた」というマーフィーの指摘は、一体何を意味するのだろうか。その意味するところは、貨幣は金や銀のように素材自体が価値をもつ金属貨幣である必要はまったくなく、一般的交換手段として機能するものは何であれ貨幣であるというものである。
古川顕「貨幣の起源と物々交換(1)―ロー、マルクス、メンガー―」(『経済論叢』2016・7 41ページ)
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……1705年の段階で、現代的な貨幣観を先取りしていたわけです。金銀だけが貨幣ではないと。