近代経済学の古典に手を出してみましたが、目指す不換紙幣論は見つかりませんでした。代わりに平和論を。
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私は先に付随的にではあるが、新しい体制は古い体制に比べて平和にとっていっそう望ましいものであろうと述べた。この点はもう一度繰り返し、強調する価値をもっている。
戦争にはいくつかの原因がある。独裁者やそれに類する人々にとっては、戦争は少なくとも彼らの期待では痛快な興奮を与えるものであって、彼らは自国民の先天的な好戦性に訴えるのが簡単であることを知っている。しかし、これにもまさって、国民の激情を煽る彼らの仕事を容易にするものは、戦争の経済的原因、すなわち人口の圧迫と市場獲得競争である。ここでの議論に密接な関係をもつのは第二の要因であって、それは一九世紀においておそらく支配的な役割を演じたものであり、また今後再び支配的な役割を演ずるかもしれない。
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