超音速およびジェットの先駆的研究者(訳者序文より)、エルンスト・マッハの著書を紹介します……と言いたいところですが、今回の調査ではマッハの理論自体を読み込むには至らなかったため、アインシュタインへの影響についてだけ報告するにとどめます。たしか『世界の名著』シリーズにもマッハの文章は収録されてたはずなので、続きはまたの機会に。
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(略。ライスの直接影響説と、カッシラーの「マッハの物理学と哲学は区別すべき」説を紹介した後)
しかし、アインシュタイン自身「私の仕事にとってマッハとヒュームの研究が非常なたすけになった。マッハは古典力学の弱点を認め、半世紀も前に一般相対性理論を求めるにあと一歩のところまできていた。……マッハがまだ若く彼の頭脳が柔軟だった時期に、物理学者たちのあいだで光速の一定性ということが問題にされているようであったら、マッハこそが相対性理論を発見したであろう……」(Nachruf auf Mach.Physikalische Zeitschrift XVII, 1916,S. 102)と述べ、折にふれてマッハの「認識論が役に立った」という述懐をもらしている。(Cf. Autobiographical Notes, A. Einstein. ed. by P.A.Schilpp, 1959,p.21 etc.)
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