核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

1962年の囲碁機械―渡辺一夫 「昨日今日」より

 文中に「この雑文を書いた頃(一九六二年)」とあります。出典は、『渡辺一夫著作集12 偶感集 下巻』筑摩書房 1970 58~59ページ。

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  一 精神とウォトカ
 有名な理論物理学者のS先生(1)とお話をする機会が与えられましたが、談たまたま電子頭脳に及びましたところ、S先生は、「僕も機械を相手に碁を打ってみましたが、負けました」と言って愉快そうに笑われました。S先生は碁がかなり上手とお見受けしているだけに、「電子計算機に負けたS先生」という雑文でも書けるなと思い、僕も愉快になって笑いました。
 (略。電子頭脳が精神(スピリット)をウォトカと誤訳したS先生の話を紹介して)
 S先生は、人間が機械の奴隷ないし機械になることの危険を常に唱えて居られる科学者の一人で、僕も心から尊敬申上げている方なのです。
 (1)坂田昌一先生のこと。
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 ・・・囲碁のソフトって、チェスや将棋よりも難しいのではないでしょうか。ましてや、「かなり上手」な人に勝てるレベルとなると。
 にわかには信じがたい話ですが、もう少し追跡調査してみます。