デモクラシーについて根本から考えようと思い、読んでみました。が、戦後(特に平成以降)の話題がメインで、期待していた内容とは違うようでした。
「おわりに」にはこんな言葉が。「民主主義が日本にもたらされたのは、第二次世界大戦後のことでした」。矢野龍渓なんてなかった。一応、大正デモクラシーについては言及があります。
ないものねだりをしても仕方がありません。その四行後には使えそうな一節も。
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しかし、急速な民主化は「民主主義のパラドクス」を生むことがあります。民主化が急進すると、過激な思想を持つ勢力が誕生して拡大することがあります。それを「民主主義のパラドクス」と呼びます。例えば、ナチ党を生んだ第二次世界大戦前のドイツがそうですし、パレスチナにおいても、アメリカの圧力で民主的な選挙を行った結果、イスラム原理主義勢力のハマスが力を持つようになりました。
これが日本に起こらなかったのは、長い封建社会が崩壊して明治維新を迎え、軍国主義や大正デモクラシー、共産主義など、さまざまな思想や社会を経験していたためかもしれません。
(同書「おわりに」 二六六ページ)
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そのあたりを知りたいんですイケガミ先生。……ここから先はもう少しつっこんだ本を探すことにします。