核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

ヘージアス・沼倉・民主主義の問題点

 『経国美談』と「小さな王国」をいったりきたりしていると、つい変な感想を抱くものでして。
 前者の登場人物ヘージアスと、後者の沼倉は、ともに「民主的に選ばれた専制者」でして。多数派が専制者を民主的手続きのもとに選んでしまった場合、民主主義を守ろうとする少数派はいかに行動すべきか、といったことを考えさせられるわけです。
 変な感想とは書きましたが、矢野龍渓は上記のようなことを真剣に考えていたという裏付けがあります。 谷崎潤一郎は……考えてなかったでしょう。