核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

愛川弘文「芥川竜之介「将軍」試論--オルガナイザ-としてのN将軍」

 『国文学論考』(18), p24-31, 1982-02。前から探していたのですが、このたび国会図書館内のデジタル検索で入手できました。
 作中の「〈N将軍=乃木将軍〉という安易な短絡を避け」(同論文24ページ)るのは、今日の「将軍」研究の主流となっていますが、その先駆的研究です。
 乃木への個人攻撃ではなく、「反戦を作の主題としてとらえ」(29ページ)るという論旨は、まさにわが意を得たりなのですが、意を得すぎて、私が付け足せる要素はあまり残っていないようです。
 この論文に気圧されたこともあって、「将軍」論は無期限凍結とします。明治前期の「ジャーナリズムとデモクラシー」論に全力を注ぐことにします。