タイトル原案 「哭きの竜」様 盗作 アンタルキダス 動物麻雀小説 「鳴きのブー」
「ブー(あンた、おなかがふくれてるぜ。タヌキさん)」
「鳴きのブー」と異名をとるそのブタ雀士は、鼻の前にやった前足でツモ牌をつかみ、手牌に加えた。
動物ばなれのした手つきで手牌をひとなですると、13枚のすべてが白くなった。
奥義、白一色(はくいいそう)。高速で牌の表面をけずり取り、「 」に変えるサマ(イカサマ)技である。
無論、このままではアガれない。鳴きのブーは音速すら超える速度で牌を刻んだ。「東」「南」「西」「北」四枚ずつの暗カンができあがる。
「ブー(カン)」「ブー(カン)」「ブー(カン)」「ブー(カン)」
上家のネコ、対面のタヌキ、下家のキツネの三匹が、一斉に目を丸くした。
「ニャー(ブタさんよ、相変わらずすさまじい鳴きよのう)」
「ポン(ポン)」
「コン(サマはしっぽ一本だぜ)」
冷ややかな表情のまま、ブーは最後の一枚を倒した。
「サマだ!」
三匹が一斉に立ち上がると同時に、ブーは光速すら上回る速度で点棒(だいこん2本、どんぐり5個)をつかみ、同時に背中に原子力ロケットブースターを装着した。
閃光と爆炎があたりを支配し、轟音がとどろく。視界が晴れた時には、ブーの姿は消えていた。
三匹「オレら、全身が煤けてるぜ・・・」
教訓 このタイミングで原子力はないだろ。