核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

初期キリスト教のカルトっぷりについてーアナニヤ・サッピラ事件ー

 「全財産よこせ。でないと殺す」と信者に要求し、実行さえする宗教を、一般的に何と言うでしょうか?「カルト」「反社会的集団」ですね。「邪教」という答えもあるかも知れません。

 では、『新約聖書』中の「使徒の働き」5をご覧ください。使徒(初期キリスト教の指導者)が信者に全財産を差し出すよう命じる場面です。

 

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 ところが、アナニヤという人は、妻のサッピラとともにその持ち物を売り、妻も承知のうえで、その代金の一部を残しておき、ある部分を持って来て、使徒たちの足もとに置いた。

 そこで、ペテロがこう言った。「アナニヤ。どうしてあなたはサタンに心を奪われ、聖霊を欺いて、地所の代金の一部を自分のために残しておいたのか。

 それはもともとあなたのものであり、売ってからもあなたの自由になったのではないか。なぜこのようなことをたくらんだのか。あなたは人を欺いたのではなく、神を欺いたのだ。」

 アナニヤはこのことばを聞くと、倒れて息が絶えた。そして、これを聞いたすべての人に、非常な恐れが生じた。

 新改訳『聖書』「使徒の働き」5-1~5-5

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 続いて妻サッピラも尋問に会い、「たちまちペテロの足もとに倒れ、息が絶え」ます。これも使徒たちの「多くのしるしと不思議なわざ」なんでしょう。

 不思議だなあ(棒読み)。この事件がではなく、その後2000年に渡るキリスト教徒の誰一人として、この事件に疑義を唱える人がいなかったことがです。

 恐怖と死で信者を縛り付け、全財産を要求する初期キリスト教に比べれば、霊感商法と洗脳と自民党癒着の旧統一教会なんてのは、まだしもマイルドになったんじゃないかと思えてきます(初期キリスト教のカルトぶりに比べればですが)。