1990年代から2010年代にかけて、非殺傷兵器は急激に進歩してきました。
とはいえ、それらは現場での兵士・兵器を殺傷せずに無力化するといった戦術レベルのものであって、戦争そのものを阻止するものではなく、むしろ戦争遂行を容易とする道具になりかねないことは、これまでに論じてきたとおりです。
もうちょっと、戦略・政略レベルの非殺傷兵器はできないものか。そこで思いついたのがバガヴァッド・ギーターです。
あの作品は和戦のはざまで悩む戦争指導者の一人アルジュナに、その戦友クリシュナが千本腕の神となって説得(脅迫?)し、戦争遂行を決定させるというものでした。
あれの逆はできないものでしょうか。和戦に悩んでいる指導者層の一人に、何等かの心理的な手段で働きかけるというのは。インターネットが普及し、独裁国家やテロ組織でさえもそれに頼らざるを得ないこの時代だからこそ実現性があると思うのです。できれば大国ではなく、民間有志の手で。