核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

湯川秀樹と私―科学まんがでの出会い―

 私が湯川秀樹という名前を知ったのは、小学校低学年の頃にまでさかのぼります。

 たしか『○年の科学』という学研の雑誌のふろくで、題名は失念しましたが、科学のえらい人の発明・発見を、一人につき見開き二ページぐらいのまんがでまとめた、分厚い大判の冊子がありました。巻頭カラーの数ページは「ダーウィン」で、ビーグル号の断面図がでかでかと描かれていたものです。「塩づけ肉のたる」がおいしそうでした。

 医学や化学にも及んでいまして、まんがパートでは「コッホは言った。コレラ菌はこれら!」とか「○○くんって水素の元素記号(=エッチ)なのよね」といった細かいギャグもありました。

 最後のほうのページは物理分野で、同書に登場する数少ない日本人科学者が「湯川秀樹」でした(「北里柴三郎」もいたかな。あとビタミンB1の発見者も)。陽子とか中性子とか電子とか中間子とか、あれで覚えたものです。一九七〇年代の刊行のはずですが、クオークまでは出て来ませんでした。

 実にためになる本で、引っ越しのどさくさで失われたのが惜しまれます。その後好奇心がこうじて、偉人伝の『湯川秀樹』を本屋さんで買ってもらったりもしました。私の物理知識は中学生レベルで止まっていますが、向学心をかきたてられたのは確かです。いつかは私もああいう本にのる博士になりたいと。正直なところ今でも思っています。

 その後、戦時中には日本軍の原爆開発に関与してたとか、嫌な面も知ってはしまいましたが、湯川秀樹への敬意を失ってはいません。

 それにしてもあの科学まんが。学習雑誌のふろく類は国会図書館にも置いてないので、もう一度読むのは絶望的でしょう。惜しいことをしたものです。