核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

戦時下の渡辺慧(わたなべ・さとし) その2

 ウィキペディアには戦争への抵抗者だったように書いてある、渡辺慧という科学者。

 彼が実際に戦時中に書いた巻頭言がこれです。デジタルコレクションより。

 

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 要するに吾人の念願してやまざる点は次の一事に尽きる。大東亜戦完勝の暁に全世界が瞠目して曰く、

 「日本は戦争にも勝ちたるが科学にも勝ちたり」と。

 渡辺慧「巻頭言 我等は我等の義務を果して居るか」(『科学思潮』一九四二(昭和一七)年一一月 五頁)

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 さんざん、他の科学者を「似非科学」と罵倒した末にこれです。こんなんが科学者面してるから戦争に完敗するんですよ。

 戦時中には戦争を賛美して止まず、戦後にはそれらをすべて改竄隠蔽した小林秀雄とは、まことにお似合いの組み合わせといえるでしょう。

 こういう小人物(専門分野では優秀だったらしく、戦後は海外で「活躍」したそうですが)に関わり合っていてはきりがないので、渡辺慧についての追求はここまでにしようと思います。

 今日は寄り道してしまった感があるので、明日こそは論文をかたちにしようと思います。