核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

北原白秋の反戦詩、その2「地雷爆発」

 また北原白秋の爆発ネタ、戦争賛美か。と思ったら裏切られました。いい意味で。

 長い詩なので要約でお送りします。北原白秋『白秋全集』(アルス 一九三〇(昭和五)年)収録。

 第一次世界大戦下の青島(チンタオ)が舞台。二人の中国人が畑仕事をしながら、徳国兵(つまりドイツ兵ですね)のレイプや略奪ぶりを嘆きます。一人が「それ皆徳国人あるか」と言うと、「それ云う、ポコペンある」ともう一人が答えます。

 

 「それ東洋兵みなどろぼうする、ペケペケ」

 「東洋兵わるい、それ云うポコペンある、戦争わるい、仕方ない」

 

 そして本仕事にかかり、鍬が地を打つと大爆発。

 

 「南京豆どころか、

  人間二人がめつちやくちや」

 

 予想外の展開。題名は「地雷爆発」ですけど、畑の中に地雷を埋めるものでしょうか。それはともかく。

 「戦争わるい」「東洋兵(トンヤンピン。つまりドイツ軍ではないほうの兵)わるい」と明確に書かれています。戦争が戦場となる国の民間人を巻き込む様も描いています。「今夜のお月さま」が反戦詩とは認めがたかった私も、この「地雷爆発」は明確に反戦詩であると認めざるをえません。

 底値止まりだった私の北原白秋観が、少し持ち直しました。反省しました。