核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

尾崎行雄『咢堂放談』(1939)

 一言で言うと「世界戦争の仲間入りはよせ」。ドイツやイタリー(イタリア)との同盟を戒めた著です。
 両国の心酔者に遠慮したのか、「ムツソリニ首相やヒツトラー総統の仕事には学ぶべきところも多いが、無理もある」といった調子ではありますが、ユダヤ人への排斥がいずれはアジア人にも向けられる点を指摘しています(「独、伊、心酔はいけない」)。
 ファシズム批判としては、2015年の眼からは物足りなさも感じますが、1939年という時期によくここまで、三国同盟や世界大戦参加への反対論が書けたものです。