核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

「脚本 食道楽」(1905)の末尾

 『食道楽 続篇』以上に知られていない、「脚本 食道楽」。歌舞伎座でシュークリームを配った挿話ばかりが知られていますが、その結末は、日露戦争での連戦連勝ぶりを祝うトンヤレ節で終わります。

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 正義の前に敵は無し、進んで行くのは人の道、驕る露西亜を打破り世界を平和に導いて昇る旭の日本国、幾千年も万年も栄ゆる御代こそ目出度けれ、
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 …「世界を平和に」なんて語が出てくるからって、おめでたいとは言いがたい結びです。この一節からもわかるように、当時の弦斎は軍事力による平和、正義のための戦争を信奉していました。
 それがなぜ軍備廃止論に転じたか。第一次大戦期の資料をもう一度じっくり読みにいきたいものです。