核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

尾崎行雄『新日本』(1887)

 「国民皆壮武なるに非ずんば究極今の争奪世界に処して、国家の体面を全ふする能はざる也」。
 大体、そのあたりが主題です。個人レベルでの名誉をかけた決闘場面にしても、清国への戦争も視野にいれた強硬策にしても、主人公たち(少女一名含む)の行動原理は上記のごとく、「争奪世界では壮武でなければ生き残れない」論理に貫かれています。
 未完の作品ですが、完結していたところでその主題が変わっていたとは思えません。後の軍備縮小論者尾崎行雄も、この頃は若かった。当たり前の結論ですみません。