本日いただいたコメントについて、自分なりの考えをまとめてみます。
内務省や特高といった戦前の官僚機構は、言論の自由を弾圧し、戦争や国家主義に逆らえない風潮を作り出してきました。そうした検閲機関への批判的な研究は大いになされるべきだと思いますし、そうした仕事はしばしば参考にさせて頂いています。
ただ、私自身の戦争へのアプローチは少し異なりまして、
第一類、弾圧に屈しなかった、ごく少数の平和主義者
第二類、何らかの理由で、進んで国家主義に同調した人々
の二種類の人々（主に文学者）を、個人のレベルから分析するという立場をとっております。
第一類はどうにか博士論文にまとまりましたが、第二類についてはあれこれ手を広げたわりに難航しております。
現在は村井弦斎をまとめて読み返しています。彼は第二類から第一類に自発的に転身した稀な例です。
