核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

村井弦斎 『日の出島』「蓬莱の巻」その7 「日の出山」第二幕

 『日の出島』の劇中劇、第二幕。
 ところ変わって薩摩の国。ここ日の出山の奥御殿には、大坂城で討ち死にしたはずの豊臣秀頼真田幸村ら家臣一同が、島津家にひそかにかくまわれていました。
 島津の態度に疑惑を抱いた江戸方の間者大河内市之丞は、庭師に身をやつして薩摩に潜入し、秀頼らの生存を確認します。彼らがまだ、打倒徳川の執念を捨てていないことも。
 秀頼は心身ともに病んでいたらしく、家康の首はまだかだの、太閤の遺志を継いで朝鮮・明に攻め入るだの、あらぬことを口走った末に急死します。
 いよいよ弔い合戦と色めきたつ豊臣家臣一同。彼らを抑え、秀頼への殉死を主張する幸村と奥方。床下でぬすみ聞きしてついもらい泣きした市之丞は、幸村たちに見つかってしまいます。
 敵味方を超えた友情が芽生えるかと思いきや・・・。