以下、あらすじを引用させていただきます。
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『関東武士』は徳川三代将軍家光の時代の話である。大坂城落城後、徳川の天下となったが、鹿児島の島津家の動向が気になった家光は、お気に入りの近習である18歳の大河内市之丞に、ひそかに鹿児島の様子を探らせる。実は、大阪夏の陣で自害したとされていた豊臣秀頼は、真田幸村らと共に城を抜け出して、鹿児島の島津公のもとで庇護されていた。そして、江戸城に攻め上る機会を虎視眈々とうかがっていた――というもの。
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後の長編『日の出島』の作中劇、「日の出山」の原型です。
比較してみると、幸村らが秀頼に殉死するに至る心情は、「日の出山」の方でより描写が深められており、安直な二度売りというわけではありません。