長編『日の出島』の主人公たちが観ている芝居、という設定で、挿入される劇中劇「日の出山」です。以前、弦斎の歴史小説は面白くないので後回しにします、とか失礼な事を書いてしまったのですが・・・。
なかなかどうして。江戸時代初期、三代将軍家光の時代を舞台に、いまだ戦国の気分が抜けない諸大名と、恫喝的なまでに江戸幕府の威勢を誇示することで恒久的な「太平」を築こうとする家光の対立を描いています。
まだ第一幕(144/177)までしか読んでいないのですが、もしかしたら弦斎なりの平和観が見られるかもしれません。少しやる気が出てきました。